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隼と周二 悩める少年S 2 

夕陽の射す隣の部屋で、周二は守役の木本に頭を下げていた。

「悪かったな。隼の、皮剥かせちまって。俺がやっても良かったんだけど、何かそのまま襲っちまいそうだからさ」
「ねんねの剥いてやるなんざ、全然構いませんけどね。ありゃ、本当なら親の役目でしょうよ」
実はさ、と木本の耳にささやいて、その後二人は爆笑した。
「そうか~。あの大魔神にもできないことがありましたか。殊勝に頭下げられたら、却って怖いっすね」
「そりゃあさ、あの顔で痛くしないでねって、隼にお願いされた日には、思いっきり泣かせたくなるよなぁ」
「一つ、貸しができましたね」
「でもよ、木本。最後の消毒ってどういうつもりだったんだ?」
木本は咄嗟にごまかそうとしたが、ほんの少し笑ってしまった。

「あ~、おまえ、食おうとしたな」
「ションベンくさいのは、ごめんだって言ってたくせに。生徒会長喰って以来、青物にまで手広げたのか。美老人から、熟女まで、好き嫌いなしだな、木本!」
「よしてくださいよ、年中、人恋しいだけですって」

その時、そっと部屋を覗きにきた隼に気が付いて、周二は小躍りした。
「隼~!可愛い~!レースのひもパンか?」
「う、ん。今日は傷があるから、穿いてなさいって。新しいパンツのほうが良いからって。木本さんがくれました。変?」
「に・あ・う~~~っ!!おお~、まさに目の保養だな」
そうっと隣に座らせて、短い紐を引っ張ってみた。
ぽろりと、可愛いものが恥ずかしそうにしている。
傷口が露を持って、ふるふると切なげに恥らって揺れる。
「あんっっ、まだ、大人になったばかりだからさわらないで」
「隼、大丈夫、そっと傷口消毒するだけだから」

軽く、口に含めばほんの少し塩の味がする。

「これでもう、ぼくも単勝で火星のキンタマーニじゃないよね」
「……は?」

単勝で火星?
つか、キンタマーニって何だ?
とにかく、皮を被ってても、短小でも仮性でも、お前にぶら下がってるからどんなものでも愛おしいんだ。
「周二く、ん。舌が、ざらっとしてる。変、ぼく、変になっちゃう。しゅうじくん」

ああ、そのまま変になれ、隼。
腰を上げて、下の口に優しく俺を欲しがって、隼。
敏感な鈴口に、そうっと紙こより突っ込んでやるから、俺を求めて愛を溢れさせて。
動くたびに鈴が鳴るように、紅い細い紐で幼い茎を縛めてやるよ。
鈴鳴らしながら、猫のように四つんばいで俺のところに来い。
枕を腰に当てて、ゆっくり上下に振って見せろ、隼。
「周二、くん。あ……んっ」
優しく耳元でささやいてくれ。
俺の髪の毛両手で掻き分けて、頬を寄せて喘いで「もっと、して」と言って。

「……って、なんでいつもおまえの蝶々結びは、カタ結びになってほどけねぇんだよっ!くそっ、紐パンがほどけねぇじゃねぇか」
「だって、パパに習ったもん」
「あぁ、もうっ!あんの、くそ親父っ!」
まだ高校生だけど、南、いらいらするっ。
「いっそ、鋏取ってやろうか?」
「おうっ!気が利くなあ、木本……げっ!沢木っ!さん」
「パパ~」

なんで今?
こんないいとこなのに?
くそぉ、GPS、威力発揮かよ。
周二の胸倉を掴んで、愛のある一言を沢木が吐いた。
「その鋏、何に使うのか隼のパパに教えてくれるかな~。四代目」
「すんません、ホントすんません。マジすんません」

揃って三人土下座する、夏と変わらぬ風景で、狂おしい秋が始まった。





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