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Category: 学園の狂騒  1/1

隼と周二 学園の狂騒 1

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周二が、すこぶる不機嫌なのには理由があった。沢木が隼に、コンタクトレンズにするのを許したのだ。裸眼視力が、0、1もない隼の眼鏡は、俗に言う牛乳瓶の底で分厚く、眼鏡を外すとまるで別人と言う少女マンガのような事実は周囲をざわつかせた。周二の心配したとおり、退院して久し振りに沢木隼が学校に現れたとき、一瞬空気が固まりそしてすぐに熱を持った。「うっそ!誰?沢木?」「ええ~っ!あのチビのダサ眼鏡の下って、こ...

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隼と周二 学園の狂騒 2

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「ぼく、本気で怒りますよ?」くすと笑った生徒会長は、『ドッキリ大成功!』と書かれたプラカードを出した。「まず、沢木には成功だね。しっかり撮った?英画愛好会」「完璧です、会長。これで来年のわが部の予算は決定ですよね」「善処しよう。さて、問題は木庭周二だな。あの野獣が劇に出ると言う方にぼくは、かけたんだけど」隼は丸い目を、もっと丸く見開いて驚いていた。どうやらエッチな劇の脚本を、堅物(そう、思われてい...

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隼と周二 学園の狂騒 3

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従者は、そっと口を寄せると胸の尖りにも歯を立てました。「あっ,いや、いや。そこは、お止めになって」懸命に抗いますが、桃雪姫の力は非力で、従者にあっけなく緊縛されてしまいました。縄目の間に覗く、赤い粒を頬張ると従者は転がし始めました。ぬらぬらと光る胸は卑猥に輝き、従者は桃雪姫を思うさま蹂躙するつもりです。「時間をかけて弄られたそこは、熱を持って腫れあがり赤くじんじんとして桃雪姫を喘がせたのでした……っ...

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隼と周二 学園の狂騒 4

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結局、ドッキリの映像と隼の妖しい朗読劇のCD-Rをセットにして、希望者に予約販売と言う形をとった。男子も女子も、先生方も購入希望に〇を入れた。校長には秘密にしていたが、君、後で並んで写真を撮ろうと隼に声をかけていた所を見ると、校長特権で手に入れたらしい。今なら、先行予約者に限り、写真部が隠し撮りした隼の生写真5枚付きなのだそうだ。もちろん周二も、個人的に生徒会長を半分脅して注文した。牛乳瓶の厚底眼鏡か...

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隼と周二 学園の狂騒 5

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松本が列に並び、間近で人形のような隼の姿を見て、小鼻を膨らませて興奮している。「うっわ~、ねんね、超・可愛い~。すげぇ」周二はクラス代表のボディガードとして、仕方なく苦虫を噛み潰したような顔をしてそこに立っていた。「護衛といっても文化祭なんだから、一応は君も制服じゃなくそれらしい恰好をしてくれるかな」生徒会長を睨みつけたが、一応向こうの言分がもっともなので、しぶしぶ流行の執事の恰好をしていた。元々...

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隼と周二 学園の狂騒 6

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隼が野生の巨象に襲われそうになっている、少し前。休憩時間が終わり、捌ききれない客を待たせて、周二は隼を連れにきた。食堂のテラスの風の通る、長いすの上、眠り姫が王子の訪れを待って……いない。「隼っ!」周二の顔色が変わった。その後。誰かが玄関先に取材に来ていたテレビクルーのモニターを見て騒いだ。「沢木っ?なんでこんなところで、写ってるのーー?!」同級生が騒いでいたが、なんでそんなところに隼がいるのか、誰...

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隼と周二 学園の狂騒 7

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そういえば生徒会長の書いた人魚姫でも、銀色の魚の尾と引き換えに人魚姫は人間の足を貰っていた。エロくないので、確か隼に読ませる予定を、没にしたんだと言っていたはずだ。作・演出:樋渡蒼太タイトル:『人魚姫』(ボツ原稿)『願いを聞いた、海の底の魔女は言う』「人間の男の子の足をあげる代わりに、お前のその鈴を転がしたような声をもらうよ。いいのかい?」「それでも、かまいません。どうかぼくに、人間の足を下さい」...

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隼と周二 学園の狂騒 8

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隼の目の前の硝子テーブルの上に、女性用の華奢な下着がいくつか置いてあった。色とりどりの、どこか甘いお菓子を思わせるパステルカラーのものが多かった。「ん?これ、なぁに?」下着の横にある、妙にぷるぷるした質感の不思議なものに、隼は手を伸ばしていた。「ああ、それね。隼の……そのラブちゃんに、付けてみようかと思って貰ってきた」隼の抱いているキューピー、ラブちゃんを取り上げると、胸に装着した。キューピーのラブ...

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隼と周二 学園の狂騒 9

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堪忍袋の尾が切れた周二は、ついに学校では親しくしないと言う決め事を犯して、隼を掴まえた。「は、はなしてっ」「離してじゃなくて、俺が話があるんだよ」怒ったときの周二は、隼も本当は少しだけ怖い。元々、大きな声は昔から苦手だった。いつにもまして低い野獣のうなり声は、隼の喉元に喰らいつきそうなきつい視線と両方で、隼を威嚇していた。涙目になるのを、懸命に堪えた。「なんですか?木庭周二くん」「なんですかだ~?...

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隼と周二 学園の狂騒 10 【最終話】

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機嫌よく二人がいちゃついていた最高潮のとき、氷河を越えてマンモスが……違った、ヤツが来た。「そこまでだ。木庭周二」「ひっ……」ごりと、こめかみに冷たい銃口が突きつけられていた。カチャリと撃鉄が起こされる。「俺の隼から手を離して、そのままその淫乱な手を上にあげろ!」「あ、あわわっ?沢木さん……?これって、さすがにおまわりさんがやっちゃいけないことなんじゃ」「そうか?俺的には、今すぐ引き金引いてもいい気がし...

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