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Category: バナー(捧げもの)  1/7

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小さな愛の芽吹き

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BLの丘・きえさま

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観潮楼さま・バナー

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BL観潮楼様・夏の企画「狂った夏・1」

BL観潮楼様・夏の企画「夏―心を焦がす恋―」「狂った夏」熱を持った床で、ぼんやりとした意識が戻ってくると、後頭部の痛みに襲われた。あちこちに、擦り傷が有った。「周二くん・・・、周二くんは・・・?」顔の側にある靴を認めて、思わず問うた。返事はなく、先の尖った靴が横たわった隼(しゅん)の脇腹を軽く蹴った。「周二ってやつなら、お前が傷つけた車の弁償費用を作ってるんだろ?」冷ややかな声が降って来る。「特別仕様...

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BL観潮楼様・夏の企画「恋蛍」

BL観潮楼様・夏の企画「夏―心を焦がす恋―」「恋蛍」湖上颯(こじょうはやて)の建築事務所に、短い文面の一葉の葉書きが届いていた。『蛍を、見に来ませんか』「蛍か・・・もう、夏だな。」そういえば、床材の納期が遅れたせいで、二ヶ月も奏(かなで)の見舞いに行っていない。協同で事業を進めている最中に吐血した、颯の想い人、如月奏(きさらぎかなで)は、現在、遠くの結核療養所で独り闘病していた。何も求めない寂しい恋人...

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BL観潮楼様・夏の企画「狂った夏・2」

BL観潮楼様・夏の企画「夏―心を焦がす恋―」「狂った夏・2」明日もう一度そこにくる約束をして、二人はやっと許された。どこか現実とは思えない、今日の出来事。その日は、周二くんと一緒に帰宅した。ぼくの手を引いて、黙って周二くんは歩く。手首には、金属の枷で擦れた薄い傷が付いていて、鈍い痛みが事実だと告げる。眼鏡をなくしてしまったせいで、ゆっくりとしか歩けないぼくの目に、ぼんやりと対向車のランプが大きく滲ん...

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BL観潮楼様・夏の企画「狂った夏・3」

BL観潮楼様・夏の企画「夏―心を焦がす恋―」「狂った夏・3」授業が終わり外に出ると、校門の側にそこだけ違和感を持った黒塗りの車が横付けされていた。 関わりになりたくない生徒達は、物言わずに通り過ぎる。押し出されるように、二人が車に近づいた。「逃げなかったな、感心、感心。」若い男がドアを開けて、乗るようにと顎を上げて促した。「周二くん・・・。」見たこともない車内のシャンデリアに、思わず息を呑んで腕に縋っ...

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BL観潮楼様・夏の企画「狂った夏・4」

BL観潮楼様・夏の企画「夏―心を焦がす恋―」「狂った夏・4」沢木と言う暴力団担当の刑事には、さすがに周二以下揃って頭が上がらない。「何本も電話が入ったんだよね~。未成年を拉致してゆく所を見ましたって。」来客用のソファに、言われずとも深く腰を降ろし、ゆっくりと周囲を見渡した。「ご丁寧にさぁ、警察にナンバーと写メまで届いてるんじゃ、来ないわけにも行かなくてね。」「中坊は?校門に横付けして、攫ってきたらし...

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BL観潮楼様・夏の企画「続・狂った夏」キスしたい・1

BL観潮楼様・夏の企画「夏―心を焦がす恋―」「続・狂った夏」キスしたい・1毎朝、靴箱の前で隼(しゅん)と視線を交わす。目が合うと、ほんの少し口角が上がって隼の頬が薄紅く染まる。くそぉ、昨日も今日も殺人的に可愛いぜ、隼。あの日から(俺が騙して拉致した日から)隼と俺の距離はほんの少し縮まった気がする。「おはよ。」小さな声ですれ違いざまに、俺にだけ聞こえるように隼がささやく。俺には他に連れが居るので、声を...

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BL観潮楼様・夏の企画「続・狂った夏」キスしたい・2

BL観潮楼様・夏の企画「夏―心を焦がす恋―」「続・狂った夏」キスしたい・2木本に連絡して泣きを入れた。「周二だけど。この際、ブスでも年増でも何でもいいから、女抱かせて。」このまま放精しないままいたら、下半身がガチガチで石になってしまいそうだった。まじ、死にそう・・・。公園に潜み、若いお姉ちゃんが通るたびに、粗チンで猛アピールする変態野郎の気持がほんの少しだけ分かる気がする。もう顔なんてどうだっていい、...

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BL観潮楼様・夏の企画「続・狂った夏」キスしたい・3

BL観潮楼様・夏の企画「夏―心を焦がす恋―」「続・狂った夏」キスしたい・3ポケットに入れていたのが落ちたのだろう、足元の隼の携帯が喚(わめ)く。受信中になっているのは、「子連れ大魔神」の二つ名を持つ隼の父親、沢木からのものだった。開くと「パパ」とディスプレイの表示が点滅してた。「ひ、ひぇ~・・・やばっ、やばっ!」俺は木本に携帯を放り投げ、守役は任務を忠実に遂行した。「ただいま救急車で搬送中です。かか...

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BL観潮楼様・夏の企画「続・狂った夏」キスしたい・4(完)

BL観潮楼様・夏の企画「夏―心を焦がす恋―」「続・狂った夏」キスしたい・4(完)「周二くん。」足元に、病院のスリッパが見える。隼の病室の外、ぼんやりと佇んで、俺は入室許可が下りるのを待っていた。あれから三日目、やっと沢木が逢うのを許してくれた。仕事で迎えにいけないからおまえが行けと、退院する日を教えてくれたので、俺はすっ飛んで来たのだった。毎日通ってきてはいたが、ずっと隼の部屋に入るのは許されなかっ...

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BL観潮楼様・夏の企画「パンドラの夏」

BL観潮楼様・夏の企画「夏―心を焦がす恋―」「パンドラの夏」サッカーのクラブチームで活躍していた、従兄弟の蒼太(そうた)兄ちゃんが大怪我をして病院に運び込まれた。チームメイトのスパイクが、膝を直撃してレントゲンで見ると半月板が見事に割れていた。元々、膝に故障を抱えていたのを騙しながら続けていましたからねぇ・・・と、治療に当たった大学病院の先生が冷たく引導を渡した。「両膝にボルトを埋め込めば一般生活は...

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BL観潮楼様・夏の企画「パンドラの夏・2」

BL観潮楼様・夏の企画「夏―心を焦がす恋―」「パンドラの夏・2」恋焦がれていたしなやかな獣が、手負いになって俺の目の前に現れた。熱を持ったアスファルトの裂け目に車椅子の前輪がはまって、懐かしい恋人が汗だくで悪戦苦闘していた。「蒼太(そうた)・・・?」「あ、先輩。手、貸してください。」数年ぶりにあったというのに、自然な一言に一気に距離が縮む。膝の怪我はスポーツニュースで流れているのを見たが、選手としては...

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白い開襟シャツの少年(前編)

BL観潮楼様・夏の企画「夏―心を焦がす恋―」「白い開襟シャツの少年(前編)」丘の上の別荘に、友人を訪ねた。「明日には、もう東京だな。」「うん。成城の家は燃えてしまったけど、麻布のお爺さまの家が無事だったからそこに身を寄せるんだ。」疎開先を引き上げて、もうすぐ眩しい白い開襟シャツの美佐雄は、東京に帰ってゆく。すぐに、退屈な田舎暮らしの事を忘れて、もとの世界に馴染むのだろう。「・・・もう、二度と会うことも...

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白い開襟シャツの少年(後編)

BL観潮楼様・夏の企画「夏―心を焦がす恋―」「白い開襟シャツの少年(後編)」終戦の夏。玉音放送が、戦争と初恋の終わりを告げたんだと、じいちゃんは言った。「・・・で、結局、成城のじいちゃんとの恋はどうなったの?」じいちゃんは、枕元に飾られている、大分前に亡くなったばあちゃんの写真を取り上げて笑った。「おまえ、ちょっとは、ばあちゃんに気を使えよ。」「成就してたら、おまえがここにいるわけないだろうよ。」「初...

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BL観潮楼様・夏の企画「狂った夏」愛犬志願・1

BL観潮楼様・夏の企画「夏―心を焦がす恋―」「狂った夏」愛犬志願・1周二くんのおうちの、とらさんのカーペットが、クリーニング屋さんから返って来たの。うんと高い毛皮の敷物だったので、クリーニング代金は8万円だって・・・どうしよ・・・?車の修理費もまだ出来ていないのに、汚してしまった責任を取ってクリーニングの代金も借金として、ぼく沢木隼(さわきしゅん)は、背負うことになった。トラの毛皮の新品を買って弁償...

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BL観潮楼様・夏の企画「狂った夏」愛犬志願・2

BL観潮楼様・夏の企画「夏―心を焦がす恋―」「狂った夏」愛犬志願・2戻ってきた周二くんは、箱を抱えてちょっとうれしそうにしていた。「ほら、隼。好きなの選べ。」「なあに?こ・・・れ・・・、犬の・・・?」箱に入ったのは、たくさんの首輪・・・何でこんなにあるんだろう?手錠は重くて、手首に痣が付くから動かしたくない。困っていたら、一つずつ取り上げて、周二くんがぼくの首に合うサイズを探して嵌め始めた。「おも・...

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BL観潮楼様・夏の企画「狂った夏」愛犬志願・3

BL観潮楼様・夏の企画「夏―心を焦がす恋―」「狂った夏」愛犬志願・3冷酷なこえが響く。「ずいぶん、楽しそうじゃね~か。」「すんません!ホントすんません!」もう見慣れた、何度目かの土下座の風景だった。マル暴担当、沢木刑事が顔を出したとき、最愛の息子は隣の部屋で、真っ裸で手錠を嵌められ首輪をつけられていた。しかもご丁寧に、逃げられないように皮鎖でベッドの足と足首がつながれているという有様だった。「なんで...

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BL観潮楼様・夏の企画「狂った夏」愛犬志願・4

BL観潮楼様・夏の企画「夏―心を焦がす恋―」「狂った夏」愛犬志願・4ふるふると肩を震わせて泣く、愛おしい恋人の頬に手を添えた。何があっても、どんなことが起ころうとも、俺はお前を愛するよ、隼。地球上の全ての生き物が、お前をなじっても俺だけはお前の味方でいると誓う、隼。粗相をしてしまった可哀想な恋人は、頬を染めて羞恥に打ち震えていた。「・・・えっ・・えっ・・・周二くん、ごめんね・・っ。」周二は、自分の胸...

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BL観潮楼様・夏の企画「狂った夏」・任務遂行(前編)

BL観潮楼様・夏の企画「夏―心を焦がす恋―」「狂った夏」任務遂行(前編)ぜってぇ、おかしい。周二はいきり立っていた。「坊ちゃん、そう苛々しないで落ち着いたらどうです?」周二は嘆いた。「だってよ、木本。ちょっとおかしいと思わね~?いっつもいい感じになったところで、沢木が来るじゃん。」「ぜってぇ、おかしいって!」周二は勉強に関してはからっきしだが、こういうところ(だけは)妙に感は鋭かった。木本自身、余り...

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BL観潮楼様・夏の企画「狂った夏」・任務遂行(後編)

BL観潮楼様・夏の企画「夏―心を焦がす恋―」「狂った夏」任務遂行(後編)「やっぱ、ブルーレイっすよね。」「おうっ!肌の質感が違うからなっ。保存用だしなっ!」「出来ればいっそ、3Dにしてぇくらいだがなっ!」「テレビ大型に買い替えしといて、正解だなっ!」「さすが、周二坊ちゃんです。よっ、4代目っ!男殺しっ!」「バカ野郎っ、女はともかく男は隼独りだぜ。」二人は嬉々として、キングサイズのベッドサイドに三点、ビ...

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BL観潮楼様・夏の企画「狂った夏」・大人の階段上ります・1

BL観潮楼様・夏の企画「夏―心を焦がす恋―」「狂った夏」大人の階段上ります・1いつも朝、下駄箱のところで周二くんと視線を絡ませる。通りすがりに、ぼくは小さく周二くんにだけ聞こえるように「おはよ。」とささやく。周二くんは片方の口角だけを上げて、ほんの少し精悍な顔を歪めて微笑とも皮肉とも付かない表情を浮かべる。それが毎朝の日課だった。でも、その日は違っていた。通りすがりに、いつもどおり小さな声をかけると...

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BL観潮楼様・夏の企画「狂った夏」・大人の階段上ります・2

BL観潮楼様・夏の企画「夏―心を焦がす恋―」「狂った夏」大人の階段上ります・2ぱたぱたと、生徒会長の後を追った。ぼくは生徒会執行部の書記を務めている。書記は余り話をしなくてもいいから、仕方なく引き受けた。ぼくは一応数字に(だけ)は強いので、生徒会の予算に関しては執行部の誰よりも詳しい。だから、そこを会長に頼られたのだろうと思う。先生方がおっしゃるには、我が校始まって以来の知能指数で、飛び級可能なほど...

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