小説・凍える月(オンナノコニナリタイ)・44
翔兄ちゃんは男の子だから、普通に想像がついたらしかった。
「あははっ、みぃ。お漏らししちゃったんだろう?」
「う・・・ん・・・。」
耳まで真っ赤になってうつむいたぼくに、いつものように
「ばぁか!」と笑った。
「それって、男なら当たり前のことじゃん。」
「みぃも、ちゃんと男の子だったんだな。もしかして、そろそろ朝起ちもあるか?・・・」
男の子の当たり前の話は、ショックだった。
突然あふれ出したぼくの大量の涙に、翔兄ちゃんは面食らったみたいだ。
「みぃ!?何で泣くの?」
「翔兄ちゃん・・・みぃくんは・・・そんなの何にも知らないっ!いやだぁ!」
「わ、わ、みぃ!どうした?」
「うわわぁあぁんっ・・・・」
ぼくの中の、白いワンピースのオンナノコミタイナぼくが、どこかに消えて行きそうで怖かった。
男なら当たり前の出来事が悲しくて泣いたなんて、翔兄ちゃんに言えないけど、どうしても涙が止まらなかった。
ぼくは、おちんちんがぽろりと落ちて、いつかおっぱいが大きくなると信じていたけど、とうとう絶望を知った。
そんな日は、どんなに待っていても一生来ないのだ。
ぼくは男の子だから、大きくなったら男の人になる。
そんな当たり前が分からずに、ぼくは泣いた。
そんな当たり前に、成長するのが辛かった。
自分の身体が、嫌いだった。
前に揺れてる、小さなおしっぽみたいな「おちんちん」がオンナノコミタイナぼくは、いつまで待ってもオンナノコには成れないんだよって笑った。
「性同一性障害」
まだ、その病名も知らなかったぼくは、そのころ毎日必死で戦っていた。
誰も、本当のぼくを知らなかった。
苦悩のみぃくんです。
・・・いつもお読みいただきありがとうございます。今、ちょうど半分くらいです。
よろしくお願いします。 此花
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「あははっ、みぃ。お漏らししちゃったんだろう?」
「う・・・ん・・・。」
耳まで真っ赤になってうつむいたぼくに、いつものように
「ばぁか!」と笑った。
「それって、男なら当たり前のことじゃん。」
「みぃも、ちゃんと男の子だったんだな。もしかして、そろそろ朝起ちもあるか?・・・」
男の子の当たり前の話は、ショックだった。
突然あふれ出したぼくの大量の涙に、翔兄ちゃんは面食らったみたいだ。
「みぃ!?何で泣くの?」
「翔兄ちゃん・・・みぃくんは・・・そんなの何にも知らないっ!いやだぁ!」
「わ、わ、みぃ!どうした?」
「うわわぁあぁんっ・・・・」
ぼくの中の、白いワンピースのオンナノコミタイナぼくが、どこかに消えて行きそうで怖かった。
男なら当たり前の出来事が悲しくて泣いたなんて、翔兄ちゃんに言えないけど、どうしても涙が止まらなかった。
ぼくは、おちんちんがぽろりと落ちて、いつかおっぱいが大きくなると信じていたけど、とうとう絶望を知った。
そんな日は、どんなに待っていても一生来ないのだ。
ぼくは男の子だから、大きくなったら男の人になる。
そんな当たり前が分からずに、ぼくは泣いた。
そんな当たり前に、成長するのが辛かった。
自分の身体が、嫌いだった。
前に揺れてる、小さなおしっぽみたいな「おちんちん」がオンナノコミタイナぼくは、いつまで待ってもオンナノコには成れないんだよって笑った。
「性同一性障害」
まだ、その病名も知らなかったぼくは、そのころ毎日必死で戦っていた。
誰も、本当のぼくを知らなかった。
苦悩のみぃくんです。
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