BL観潮楼様・夏の企画「続・狂った夏」キスしたい・4(完)
BL観潮楼様・夏の企画「夏―心を焦がす恋―」
「続・狂った夏」キスしたい・4(完)
「周二くん。」
足元に、病院のスリッパが見える。
隼の病室の外、ぼんやりと佇んで、俺は入室許可が下りるのを待っていた。
あれから三日目、やっと沢木が逢うのを許してくれた。
仕事で迎えにいけないからおまえが行けと、退院する日を教えてくれたので、俺はすっ飛んで来たのだった。
毎日通ってきてはいたが、ずっと隼の部屋に入るのは許されなかった。
余りにひどいことをした罰だと思って、じっと(妄想の中で隼をあんあん言わせながら)耐えた。
脳裏に浮かぶ苦悶の表情の隼が心配で、まともに眠れずげっそりと目の周りがくぼみ、眼下の隈は特にひどかった。
守役の木本が、俺のほうが病人になるんじゃないかと本気で心配して、沢木に頭を下げてくれたようだ。
「子連れ大魔神」沢木も、俺の余りの落ち込みように同情し、今回に限り仕置きは許してやるといったくらいだ。
・・・どんな仕置きが待っていたのか、想像するのも怖い。
だけど、ぶん殴られたり締め落とされたりするよりも、隼に逢えないのがこんなに辛いなんて、思いもよらなかった。
学校で視線以外言葉を交わすことも希な俺たちだったから、いつの間にこんなに深く隼に想いを寄せていたのか、自分が不思議だった。
早熟で女と体の関係ばかり追ってた俺が、隼をこんなに好きでたまらない。
我ながら、こんな一途な恋が出来るとは思ってなかった。
「これね、病院の借りてたおねまき、紐がもつれちゃった。」
「ほどいてくれる?」
入院している間、介護用の短いケアねまきを、借りて着ていたみたいだ。
退院するから、私服に着替えるつもりだったらしい。
上手くほどけなくて、固結びになっていた。
ベッドに並んで腰掛けると、膝上20センチの短いワンピースのようになっている打ち合わせに手をかけた。
俺が色々な意味でお世話になったことのあるお姉さんが、マットの横で跪く時に着ているくらいの短さだった。
裾が割れて太ももの奥まで丸見えになった隼は、そっちにはまったく無防備で、固くもつれてしまった紐に困っていた・・・。
「ほら、ほどけた。」
「周二くん、ありがと。」
ガーゼのねまきを背中に滑らせると、丸い肩が現れて、下から俺を見上げる大きな澄んだ目に視線が絡む。
俺は、もう少しでこの愛おしいものを失う所だったのかと思うと、温かい命を抱き寄せずにはいられなかった。
「生きてて良かった、隼・・・」(作者注:古い牛乳を飲んであたっただけです)
「周二くん・・・」
紐を解いたら前がはだけて、薄い胸と幼い性器が見える。
何でぱんつを穿いていないか聞きたい所だが、目の保養優先でこの際触れないことにする。
何のふくらみも無い滑らかな白い胸に、ほんの少し薄い桃色に色づいた清らかな小さな突起・・・。
「・・・さわってもいいか・・・?隼を、ちゃんと確かめたいから。」
「ん。」
そうっと力を入れないように、傷つけないように、殻のない水玉子に触れるようにやわ・・・と指先でなぞった。
「あ・・・んっ・・・」
爪で弾くと、胸の先がほんの少しぷくりと質量を増やし、色が濃くなった気がする。
「隼、あぁ、俺の隼。」
横から抱きしめて、そっと大切に寝台に横たえた。
介護に便利な病院のねまきは、着脱がしやすいように計算されているとは聞いていたが、実践してみて優れものだとわかる。
隼が怖がらないように、胸の中に抱きこんでそっと手を伸ばし袖を抜いた。
ありがとう、介護おねまき。
震える両の手が、俺の手を力なく押さえて拒む。
指の先を平らな胸に這わせながら、胸元に顔を埋めた。
鼻腔に広がる隼の匂いは、今は消毒薬の匂いを含む・・・
右の胸を犬のようにしつこく舐め回しながら、ずっとさわさわと指先で左胸を摘み上げていた。
ささやかな突起がやがて濃い桜色に染まり、隼の小さな口から切なくも甘い吐息が漏れた。
「は・・・っ、あっ・・・」
「やっ・・・周二・・・くん。おっぱ・・・い、やっ。」
ほんの少しだけ、強く吸ってもいいか、隼。
うんと優しくするから。
「聞いちゃ・・・や・・・。」
薄い胸に、恥らったように震える紅い尖りに口をつける。
敏感になった薄い皮膚に、そっと歯を当てると隼の背中が弓なりに反って緊張する。
白い肢体が薄紅に染まってのけぞるのを見ただけで、身体中から色々なものが噴きそうだった。
抱きしめているから怖くないだろ、隼。
追い詰めて追い詰めて、おまえから挿いれて欲しいとねだるようにしてやるから。
小さな顔を両手で包んで、潤む瞳に唇を寄せた。
固く目を瞑って怯えている隼に、小鳥が餌をついばむような幼いキスを優しく落とす。
「・・・んっ・・・っふ。」
「隼・・・俺の名前を呼んで。」
「しゅ・・うじく・・んっ。」
なまめかしく濡れた唇が、ぎこちなく俺の名を呼ぶ・・・
紅い舌先で、いつか俺のモノを嘗め回し、早くここに挿れて欲しいとねだれ、隼。
「周二くん・・・」
抱き合うだけじゃ物足りない。
身体を入れ替えて、深く舌を絡ませる大人のキスを覚えて・・・、隼。
絡めて吸って、みんな飲んで。
「周二く、んっ・・・んっ。」
耳朶に響くのは、うっとりと深いキスをむさぼる隼の声。
「あぁ、隼。」
腕の中のやわらかい愛おしい存在に、俺は獣になって喰らいつきたかった。
「んっ、あの・・・しゅうじ、くんってばっ。」
「あ・・・んっ・・・パパが見てる・・・けど、へいき?」
「げっっ!!」
ざっと音を立てて、血が逆流した。 (完)
長らくお読みいただきありがとうございました。
お言葉、お励まし嬉しかったです。きゃあっ!キスできました~~~!!(//▽//)
実はBLと言う名を冠したものを、生まれて初めて書きました。
それまで薄い少年愛の滲むものを読むのは好きでしたが、自分で書くという選択肢を持っていませんでした。
皆様きっとご存知だと思うのですが、美貌の顔をアイロンで焼いてしまった少年の話にネットでめぐり会い、この世界に落ちました。こんな世界があるのだと、目から鱗がぼろぼろ落ちて、その後わんわん泣いて何故か自分も書きたいととんでもないことを思いました。いざ書き始めると、正直知らない事だらけで大変でした。
この度、余り考えもなく末席に加えていただきましたら、頂いたコメントやら会員様のお名前にお見かけしたことある方のお名前がばんばん出てきて、内心どっひゃ~と、あわくっています。綺羅星の如く有名スターの集いに混じった素人みたいな感じです。どきどき・・・わくわく、そわそわ、うきうき、あわあわ~・・・どうしましょう(//▽//)
これからも、よろしくお願いします。感謝を込めて。 此花
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pioさま、神の手の美麗挿絵、勿体無くも長らく快くお貸しいただきありがとうございました。
こんな綺麗な子に、うん〇ちびらせたのも、お許しいただいてありがとうございました。
R-指定は厳しいですけど、何とかキスだけはできました。
脳内でこの絵が動いて、本当に楽しかったです。
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