禎克君の恋人 26
「そんなおいしいものじゃないけどね、さあちゃんの物だからおれは平気。飲めるよ。」
「……ごめん。こんなくそまずいもの出しちゃって。知らなかったよ……。」
大二郎は、まじでへこんでしょんぼりとしてしまった禎克を見上げた。
「さあちゃん、へこむなよぉ……。みんな同じだって。教えてあげるよ、何でこれがこんなにまずいか。おれ、神さまに聞いたことあるんだ。」
そう言いながら、向かい合った大二郎はそうっと手を伸ばし、再び禎克を捉えて上下にゆるく指を這わせていた。
「え?」
おれ、神さまと知り合いなんだと、大二郎は真顔を向けた。
「まずくないと、みんなセクスに溺れちゃうだろ?甘い蜂蜜みたいな味だったらさ、誰も恋人から離れたがらないよ。だからわざと不味くてしてるの。朝から晩までセクスばかりだと、人類は滅亡しますっ。(`・ω・´)」
「大二郎くん……。それ今、思いついたんだろ?」
「うふふ~。でもね、どんなに不味くても、おれはさあちゃんから離れたくないの。困ったね~。」
口をゆすいでぷっと吐き出すと、再び大二郎は禎克にキスをねだった。確かに、これが甘露なものだったらきっと溺れてしまう。そんな気がした。わずかな間に、禎克は深いキスに慣れていた。
シャワーを掛け流しながら、二人は仲良く溶けた。
互いに手を伸ばし口を貪りながら、下肢をこすり合った。向かい合った腰が、グラインドするように前後に揺れる。
「さあちゃん……。」
おれのこと、覚えていてね……と大二郎が潤んだ瞳で禎克を見上げた。
「忘れたことない。言っただろう、物覚えは良い方なんだ。」
「さあちゃん。ぎゅっとして寝よ。」
大二郎にしてみれば、禎克との行為はきっと物足りないものだっただろうが、相手を思いやる気持ちもわかず自分のことで精いっぱいの禎克は、抱き合ったまま、すぐに睡魔の手に落ちた。
携帯のアラームはセットしたから大丈夫……意識をなくす寸前、紅い禿の振袖の女の子に手を伸ばした。
『さあちゃ~ん……』
いつも涙を浮かべて悲しそうなその子が、今日は笑顔で袖を振る。
やっぱり、君、大二郎くんだったんだね。
やっと、笑ったね。
鼻をくすぐる石鹸の匂いの頭を、引き寄せてそのまま眠った。
「いい匂い……だ。」
「さあちゃん。寝ちゃうのか。つまんないぞ~。さあちゃ~ん。」
大二郎は禎克があっさりと眠りに落ちたのを、寂しげに見つめていた。
(´・ω・`) 大二郎 「さあちゃ~ん。続きは~?」
(*/д\*) 禎克 「もう、寝る~」
Σ( ̄口 ̄*) 大二郎 「まじで~?」
本日もお読みいただきありがとうございます。
拍手もポチもありがとうございます。励みになってます。此花咲耶
にほんブログ村
「……ごめん。こんなくそまずいもの出しちゃって。知らなかったよ……。」
大二郎は、まじでへこんでしょんぼりとしてしまった禎克を見上げた。
「さあちゃん、へこむなよぉ……。みんな同じだって。教えてあげるよ、何でこれがこんなにまずいか。おれ、神さまに聞いたことあるんだ。」
そう言いながら、向かい合った大二郎はそうっと手を伸ばし、再び禎克を捉えて上下にゆるく指を這わせていた。
「え?」
おれ、神さまと知り合いなんだと、大二郎は真顔を向けた。
「まずくないと、みんなセクスに溺れちゃうだろ?甘い蜂蜜みたいな味だったらさ、誰も恋人から離れたがらないよ。だからわざと不味くてしてるの。朝から晩までセクスばかりだと、人類は滅亡しますっ。(`・ω・´)」
「大二郎くん……。それ今、思いついたんだろ?」
「うふふ~。でもね、どんなに不味くても、おれはさあちゃんから離れたくないの。困ったね~。」
口をゆすいでぷっと吐き出すと、再び大二郎は禎克にキスをねだった。確かに、これが甘露なものだったらきっと溺れてしまう。そんな気がした。わずかな間に、禎克は深いキスに慣れていた。
シャワーを掛け流しながら、二人は仲良く溶けた。
互いに手を伸ばし口を貪りながら、下肢をこすり合った。向かい合った腰が、グラインドするように前後に揺れる。
「さあちゃん……。」
おれのこと、覚えていてね……と大二郎が潤んだ瞳で禎克を見上げた。
「忘れたことない。言っただろう、物覚えは良い方なんだ。」
「さあちゃん。ぎゅっとして寝よ。」
大二郎にしてみれば、禎克との行為はきっと物足りないものだっただろうが、相手を思いやる気持ちもわかず自分のことで精いっぱいの禎克は、抱き合ったまま、すぐに睡魔の手に落ちた。
携帯のアラームはセットしたから大丈夫……意識をなくす寸前、紅い禿の振袖の女の子に手を伸ばした。
『さあちゃ~ん……』
いつも涙を浮かべて悲しそうなその子が、今日は笑顔で袖を振る。
やっぱり、君、大二郎くんだったんだね。
やっと、笑ったね。
鼻をくすぐる石鹸の匂いの頭を、引き寄せてそのまま眠った。
「いい匂い……だ。」
「さあちゃん。寝ちゃうのか。つまんないぞ~。さあちゃ~ん。」
大二郎は禎克があっさりと眠りに落ちたのを、寂しげに見つめていた。
(´・ω・`) 大二郎 「さあちゃ~ん。続きは~?」
(*/д\*) 禎克 「もう、寝る~」
Σ( ̄口 ̄*) 大二郎 「まじで~?」
本日もお読みいただきありがとうございます。
拍手もポチもありがとうございます。励みになってます。此花咲耶
にほんブログ村
- 関連記事
-
- 禎克君の恋人 28 【最終話】 (2012/08/24)
- 禎克君の恋人 27 (2012/08/23)
- 禎克君の恋人 26 (2012/08/22)
- 禎克君の恋人 25 (2012/08/21)
- 金剛禎克 (2012/08/20)
- 禎克君の恋人 24 (2012/08/20)
- 禎克君の恋人 23 (2012/08/19)
- 禎克君の恋人 22 (2012/08/18)
- 禎克君の恋人 21 (挿絵付き) (2012/08/17)
- 禎克君の恋人 20 (2012/08/16)
- 禎克君の恋人 19 (2012/08/15)
- 柏木大二郎 (藤娘) (2012/08/14)
- 禎克君の恋人 18 (2012/08/14)
- 禎克君の恋人 17 (2012/08/13)
- 禎克君の恋人 16 (2012/08/12)