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風に哭く花 33 

BL的性愛場面、加虐場面があります。ご注意下さい。

青児は目を離せなかった。
こんな翔月を見るのは初めてだ。

翔月の姿は、隠微で淫らで悩ましかった。翔月の覆われた目の布を取り除き顔を見たいと思う。
泣くのを我慢して染まった目元は、きっとうっとりと恍惚の表情を浮かべている気がした。
鼓動を気にしながら、男に押されるまま翔月の前に立った。
柏木が手を伸ばすと、青児の手を何かで拭いて濡らした。後で消毒用のアルコールと潤滑油だったとわかるが、青児はされるがままでいた。
そのままオイルの助けを借りて、柏木に指を導かれ、翔月の狭い場所に青児の節くれだった長い指がゆっくりと沈んでゆく。

「ああ……う……うっ……」

様子を伺うと、苦しそうに身体をのけぞらせたが、翔月の最奥は難なく青児の指を飲み込んで、きゅうと締め付けた。周囲をなぞるようにこねると、翔月は小さく跳ねた。
感じているのではないか……と、思う。胸の小柱も、赤く尖って張りつめていた。

男に再び声を出すなと合図をされ、小さく頷いた。
横合いからタイを解かれ、青児のシャツははだけられた。ズボンも奪われて間抜けな格好になったが、不思議と何も思わなかった。

「うさぎちゃん。大好きな青ちゃんに、早く抱かれたいねぇ……」

目隠しをされたまま、柏木にささやかれた翔月は、こくりと頷く。
しかし、すぐに嗚咽が漏れた。

「……きらわれ……ちゃった……うっ……うぇ……っ」

涙にくれる翔月は話せなくなったが、その理由を青児は知っている。翔月は何も悪くないのに、八つ当たりのようにして泣かせてしまったのは自分だった。
傍に二人がいなければ、きっと抱きしめて好きだよと言えたのに、今は生贄に手出しも出来ない嘆きの王子さながらに言いなりになるしかなかった。
せめてもの労わりを込めて、そっと青児は翔月の中に埋めた指を回した。前後にゆっくりと、内部をこすり上げるようにしてやると、泣き声が途切れ、腰をくねらせるようにして震えた。

「いやだぁ……あ……青ちゃん……っ。」

「うさぎちゃん。力を抜いて。ここに青ちゃんを迎えるんでしょう?」

「は、放して。これ以上、何も知らなくていい。青ちゃんの所に、帰る……!あっ……ああっ。」

「駄目だよ……もう少しなんだから。ちゃんと、準備しないとね。」

青児の指にもう一本、柏木が添えたのを、翔月は拒もうとしたが叶わなかった。結局、蠢く指の感触に負けてしまい、慄きながらも息を詰めて侵入されるのを待っている。
柏木と共に侵入した青児は、翔月の顔色をうかがいながら、同じように後孔をえぐった。
深く浅く抽送を繰り返すと、たまらず翔月がすすり泣きながら哀願した。

「せ、せんせい、お願いだから、もう……やめて。」

「止めてもいいの?こんなに欲しそうなのに?正直じゃないね、うさぎちゃん。」

「やだあっ、青ちゃんがいい……指は、いやだぁ。」

少し前に、一度果てた翔月の紅茎が、再び兆して来たのを認め、青児は自分の持ち物が質量を増やしたのを感じた。
この光景を目にしても、翔月への気持ちは揺るがなかった。
むしろ、子どものように翔月が泣きながら自分を呼ぶのを見て、青児は抱き寄せたいほど愛しいと思った。
青児の中にも、小さな官能の種が芽吹こうとしている。

柏木は、ふっと満足げに目を細めた。




本日もお読みいただきありがとうございます。(*/д\*)

やっと会えた翔月はえらいことに……
青児も何だか、えらいことに……
愛のある場面になるはずです。でも、時間かかるねぇ……(。´・ω`)ノ(つд・`。)・゚+

[壁]ω・)わ、わ~~~!


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