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明けない夜の向こう側 【後書き】と今後について 

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
ふらつきながらも、何とか着地できました。
読後感だけ気を付けながら、話を進めてきましたが、あまり起伏がなかったのと、夢落ちっぽいのが、自分では反省点です。……(´・ω・`)

腎臓透析、腎臓移植の黎明期のお話を書こうと思ったのは、かなり前です。
四国には、廃棄腎を治療後、他人に移植腎として使用した一匹狼的な医師がいて、色々物議を醸しておりました。一部では赤ひげともいわれていました。
地元でも、賛成派、反対派がいたようで、助かった方たちはその執刀医に、最大の賛辞を送っていました。
廃棄腎なら、使用しても差し支えないのではないかと思えたのですが、反対派には、もしかすると治療後、働いたかもしれない腎臓を摘出するには問題があるというわけです。
双方ともに、一理あって中々答えは出ないように思いました。
医師の間でも、この件に関しては、賛否両論あったようで喧々囂々と議論が交わされたようです。
一時は、不適切な治療法と断罪されていましたが、この作品を書き終えた頃、廃棄腎移植が先進医療の一つとして、厚生省より認められました。
新聞でその記事を見た時は、とても驚きましたが、長年腎臓病と戦ってきた人達にとっては、一つでも選択肢と希望が増えたことになります。
医療ロボット「ダ・ヴィンチ」の出現により、使用できる腎臓と廃棄しなければいけない腎臓の区別がつきやすくなったようです。廃棄腎移植に使える臓器は、もしかするとほとんどなくなるかもしれないとも書かれていました。

余談ですが、顔も見たこともない此花の曾祖母は、子宮癌、腎臓癌で亡くなりました。
子供の頃、法事などで親戚の人が集まって、あの頃によく大学病院に連れて行ったものだと話をしていました。それほど当時では、高価な治療だったみたいです。
二度の入院と治療で、身代も傾いたという話です。恐ろしいほど高額な治療費を捻出した曾祖父は、それについて何も言い残しませんでした。

そのころに比べれば、腎臓治療は進歩しました。透析技術が進んだせいで此花の知っている方も25年も続けています。医療費にも国の補助がありますから、裕福な人しか受けられない治療ではなくなりました。
腎臓移植を待つかと問われ、まだ若かった頃その人は移植をあきらめました。
誰かの死によって救われる命がいくつかできるというのが、移植の実態です。
まだ、御遺体にメスを入れるのは我慢できないという家族が多い中で、どうしても移植イコール誰かの死を待つような気持にはなれなかったのだと思います。
本人がドナー登録していても、家族が納得できない為に、見送りになった例もよく耳にします。
今も、移植は難しい問題です。

一生懸命調べたのですが、黎明期の話だったので、資料も少なく分からないことが多かったです。不都合な点などありましたら、ご指摘ください。できる範囲で手直ししたいと思います。
BL作品のはずが、ほとんどそんな場面がなく、お話が終了してしまいました。
その辺りは、番外編で望月に頑張ってもらいます。(`・ω・´)ヤな奴だけど~、ちょっといいお話になる予定です。
それでは、またね。
ありがとうございました。

此花咲耶




新しい連載も、火 木 土曜日更新の予定です。
どうぞよろしくお願いします。



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