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夢見るアンドロイドAU 10 

……溺れていた。
長らく触れていなかった最愛の厚一郎の肌は、ルシガの指に応え薄紅の薔薇色に染まってゆく。
ルシガは、厚一郎のしなやかな肢体に夢中になっていた。

「……はぁ…はっ……ぁ……んっ……。」

月明りだけが射す広いリビングに、甘い吐息が満ちてゆく。ルシガの手の内にあるアルテミスの剣は、力を入れて握り込めば押し返すようにじわりと芯を持ち、ほんの少し質量を増やし頭をもたげた。天鵞絨(ベルベット)の手触りを楽しむように、ルシガはゆっくりと厚一郎の容を確かめている。
厚一郎の持ち物は、華奢な見かけに似合わず優雅に巨大だ。黙っていれば絶世の美女にしか見えないこの男の下肢には、極端に言えば誰にも受け入れられないほどの美しい反りを持つものが屹立していた。

「俺……攻めで良かった……。」と、厚一郎の分身を手のひらであやしながら、思わずルシガが小さくごちた。

「あら……ずっと攻めでいられるとは限らないかも……?」

「え……?今、何て……?」

「……んっ……なんでも……な、い……。セカンド・バージンだ…ね。あぁっ……きっ…つい……。」

ソファにずり上がった厚一郎は、身体を進めるルシガを受け入れかねているようだ。余りの狭さに痛みが走る。

「くっ、厚一郎……大丈夫か?身体は……何ともない?」

「う……ん。多分……平気。だけど、体力落ちた、みたいだ……意識が遠くなる……ルシ……」

細い指がルシガの二の腕を滑り落ちた。

恋人たち

くたりとソファに沈んだ厚一郎から飛び離れたルシガは、思わず心臓に耳を当てた。
少し早いが規則正しい鼓動にほっと、息を吐く。
厚一郎は久しぶりの性行為に、気をやって果てたらしい。
その顔は二人が初めて結ばれた日のように、満ち足りているように輝いて見えた。

*****

リビングの明かりを点けて、ふと見やればわずかに寝室の扉が開いていた。
気を失った恋人を抱え寝台へと運んだルシガは、そっとふとんをめくった。

「厚志、起きていたのか……?」

くすん…と、鼻をすする音が聞こえた。
布団にもぐりこんで丸くなった厚志が泣いていた。

「ルシガ……音羽は……ぼくを欲しいって言ってくれないの。」

「そうかな。俺には音羽が、全身でひよこを欲しいって言ってるように見えるけど。」

「あ、あっくんは……インランでフテイだから……音羽はつつましやかな日本人が良いんだと思う。」

「そう。じゃあ、そういうんだね。ひよこはもう音羽を諦めるんだ?」

「い……ぁだぁ……う~……」

ぽろぽろと透明な珠が、歯を食いしばったあっくんの冷たい頬を、幾つも転がってゆく。幼すぎてルシガの好みでは決してないが、あっくんは誰の目にも天使のようだ。

「厚志を嫌う奴なんて、世界にいるものか。」

金色の長い髪に、手を伸ばしルシガはそっと口づけた。

「ひよこは、厚一郎の弟だろう?自信を持て。音羽はシャイな東洋人で、欲しいものを
欲しいと言わないのを美徳だと勘違いしているだけだ。」

「そう……かな。あっくん、もう一回頑張って、音羽に会ってみる……。」

あっくんは手の甲でごしごしと、涙を拭いた。

「泣いたら鼻の頭が赤くなる所までそっくりだ。厚一郎がいなかったら、きっとおれはひよこに夢中になったよ。」

「お兄ちゃんには、黙っててあげる。」

やっと、あっくんが笑った。




幸せな二人は、はちみつ工房のねむりこ画伯にお借りしました。
見ているだけで微笑ましくなるような二人です。
……巨根らしいっす!(`・ω・´) ← わかってるのか、こいつ。

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拙作「凍える月」を一気読みしてくださった方、ありがとうございます。拍手をいっぱいいただいて此花まいあがりました。きゅんきゅん~(*⌒▽⌒*)♪             此花咲耶

アンドロイド

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2 Comments

此花咲耶  

ねむりこひめさま

> こ・・・このさんが巨根表現をする時が来るなんて・・・・・・・・!
> イヤーン。このさんの、エッチ~~~~ッ!
> いやいや、ブラボーでございますよ~^^

(*/д\*) ぃや~ん、画伯のいけず~
巨根……ってなんでつか……?(〃ー〃)

> このさんが書かれるとアンドレが何とも儚げで、耽美で嬉しいですよ~~~~。
> この2人のエチを久しぶりに見て、感動でございます~~~~!

そういってもらえて、すごくうれしいです。美しくお耽美に書きたいと思いました。
エチは難しいので、表現がどうしてもワンパターンになってしまいます。
拙い表現ですけど、がんばりました。(`・ω・´)

> あっくんが泣いて、お鼻が赤くなるところに萌え萌え~~~~~!
> く~~~~~っ、あっくんはいぢめたくなるキャラだ!
> まだまだ泣いてほしいっす。←鬼畜

(ノ_・。) あっくん:「泣かないもん!…ねむちんのいけず~…」


> イラストを使ってくださって、ありがとうございました~。ぺこり。

綺麗なイラストお貸しいただいて、ありがとうございました。画伯の腕が上がったおかげで、此花の作品のレベルが上がった気がします。他力本願~(*⌒▽⌒*)♪
あっくんが主役なのに、エチが書けなくてアダルトな二人にお願いしてしまいました。
コメントありがとうございました。後、もう少しです。がんばります。


2011/10/21 (Fri) 00:08 | REPLY |   

ねむりこひめ  

こ・・・このさんが巨根表現をする時が来るなんて・・・・・・・・!
イヤーン。このさんの、エッチ~~~~ッ!
いやいや、ブラボーでございますよ~^^

このさんが書かれるとアンドレが何とも儚げで、耽美で嬉しいですよ~~~~。
この2人のエチを久しぶりに見て、感動でございます~~~~!

あっくんが泣いて、お鼻が赤くなるところに萌え萌え~~~~~!
く~~~~~っ、あっくんはいぢめたくなるキャラだ!
まだまだ泣いてほしいっす。←鬼畜

イラストを使ってくださって、ありがとうございました~。ぺこり。

2011/10/20 (Thu) 22:46 | EDIT | REPLY |   

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