鏡の中の眠れるヘルマプロデュートス 7
「鏡の中の眠れるヘルマプロデュートス」 以後の話は展開上、予告なく加虐描写などが出てまいります。
ご注意ください。興味のない方、理解できない方は、速やかにお帰り下さい。
通いなれた事務所に入り、頭を下げた。
奥の続き部屋に繋がる扉が、わざとかどうかほんの少し開かれて声が漏れていた。聞き覚えのある声が、悲鳴に変わった。
「ぃ、いやぁーーーっ!」
「鏡弥っ?」
顔色の変わった陽太を愉快そうに、そこにいた金融業者が見詰めていた。
「まあまあ、慌てることはないって。知らない方が幸せってこともあると思うぜ。」
漏れ聞こえて来るのは、鏡弥の高い悲鳴だった。
「いやあっ……!もう、いやあっ!!ああーーっ……。助けて……許して、許してっ……。」
大切に守ってきたはずの鏡弥の悲鳴に、陽太は凍りついた。
「鏡弥っ……!?」
冷たくなった指先で、慄きながらドアノブに触れた。
「おい。知らない方が良いかもしれないぜ。」
しかめた顔で留守番をしていた男が止めたが、陽太は、ゆっくりと夢遊病者のように歩を進め扉を押し開けた。
目に入ったのは、発光しているような鏡弥の白い華奢な肢体だった。
凍り付くような、隠微な光景が広がっていた。
大きな寝台に張り付けられて縛められた、哀れな鏡弥の細い裸体がそこにある。ぐったりと意識を失って首を垂れ、弛緩したように見えた。
陽太はそこで気が付いた。同じ姿だが、これは鏡弥ではない。陽太の好きな鏡弥と、どこまでも似ているがどこか雰囲気が違う。
蹂躙されているのは、ここで待ち合わせたはずの、鏡弥の身内と名乗った桜口充弥だった。大きく下肢を広げて男を受けいれているそこは、柔らかい紅い洞がひくついて口を開けていた。散々に破瓜されて気を失っている充弥に、陽太は呆然とした。
「なんで、お前がここに居るんだ……?」
「お前ら、こいつに何をしたんだ!俺が鏡弥に手を出すなと言ったから、そっくりなこいつに手を出したのか?何で、こんなひどいことを……!」
飛び掛かろうとした陽太の肩を掴んで、男が可笑しそうにささやいた。
「まあ、落ち着きなって。ようく見ろよ。ありゃ、よがってるんだ。淫乱野郎が、気をやって達っちまったんだよ。」
「はっ……?」
何を言っているのだろうと、眼前の男の顔をまじまじと見つめ返してしまった。
気をやる…?
「何を言ってるんだ。借金が嵩んだから、鏡弥の身内を探してひどいことをしたんだろう……?お前らは人間じゃない。くそぉっ!寄ってたかって俺たちを食い物にしやがって!大丈夫か、充弥くん!」
「関係ないのに、巻き込んで悪かったな。」
そう口走り、縛めを解くために傍に駆け寄ったら、充弥はとろりとした視線を向けた。その艶めいた視線に見覚えがあった。何度も腕の中で名前を呼び、達った愛しい者の向けた視線を間違うはずもない。
「大丈夫か、え……鏡弥なのか……?」
肩を揺すると透明な涙がつっ……と、静かに流れ落ちた。
顔を覆った青年が細い嗚咽を漏らした。
「陽太さん……。お願い、信じて……。ぼくは、充弥(みつや)だ、鏡弥じゃない。君をだました……鏡弥じゃない。」
「どういう事だ……?騙す……?一体、君は何者なんだ?何を知っている、言ってくれ。」
呆然とする陽太の前に、不意に現れた鏡弥とそっくりな充弥の存在。
抜き差しならない金融業者への借金と、良く似た二人……。陽太は起こった事態に立ち尽くしていた。
遅くなりました。すまぬ~(´・ω・`)
上記に書いてありますが、この先痛い描写も出てまいります。
展開上必要な個所ですが、今は個人のHPであげるべきだったとちょっと後悔しています。大丈夫かなぁ……。
此花咲耶
ご注意ください。興味のない方、理解できない方は、速やかにお帰り下さい。
通いなれた事務所に入り、頭を下げた。
奥の続き部屋に繋がる扉が、わざとかどうかほんの少し開かれて声が漏れていた。聞き覚えのある声が、悲鳴に変わった。
「ぃ、いやぁーーーっ!」
「鏡弥っ?」
顔色の変わった陽太を愉快そうに、そこにいた金融業者が見詰めていた。
「まあまあ、慌てることはないって。知らない方が幸せってこともあると思うぜ。」
漏れ聞こえて来るのは、鏡弥の高い悲鳴だった。
「いやあっ……!もう、いやあっ!!ああーーっ……。助けて……許して、許してっ……。」
大切に守ってきたはずの鏡弥の悲鳴に、陽太は凍りついた。
「鏡弥っ……!?」
冷たくなった指先で、慄きながらドアノブに触れた。
「おい。知らない方が良いかもしれないぜ。」
しかめた顔で留守番をしていた男が止めたが、陽太は、ゆっくりと夢遊病者のように歩を進め扉を押し開けた。
目に入ったのは、発光しているような鏡弥の白い華奢な肢体だった。
凍り付くような、隠微な光景が広がっていた。
大きな寝台に張り付けられて縛められた、哀れな鏡弥の細い裸体がそこにある。ぐったりと意識を失って首を垂れ、弛緩したように見えた。
陽太はそこで気が付いた。同じ姿だが、これは鏡弥ではない。陽太の好きな鏡弥と、どこまでも似ているがどこか雰囲気が違う。
蹂躙されているのは、ここで待ち合わせたはずの、鏡弥の身内と名乗った桜口充弥だった。大きく下肢を広げて男を受けいれているそこは、柔らかい紅い洞がひくついて口を開けていた。散々に破瓜されて気を失っている充弥に、陽太は呆然とした。
「なんで、お前がここに居るんだ……?」
「お前ら、こいつに何をしたんだ!俺が鏡弥に手を出すなと言ったから、そっくりなこいつに手を出したのか?何で、こんなひどいことを……!」
飛び掛かろうとした陽太の肩を掴んで、男が可笑しそうにささやいた。
「まあ、落ち着きなって。ようく見ろよ。ありゃ、よがってるんだ。淫乱野郎が、気をやって達っちまったんだよ。」
「はっ……?」
何を言っているのだろうと、眼前の男の顔をまじまじと見つめ返してしまった。
気をやる…?
「何を言ってるんだ。借金が嵩んだから、鏡弥の身内を探してひどいことをしたんだろう……?お前らは人間じゃない。くそぉっ!寄ってたかって俺たちを食い物にしやがって!大丈夫か、充弥くん!」
「関係ないのに、巻き込んで悪かったな。」
そう口走り、縛めを解くために傍に駆け寄ったら、充弥はとろりとした視線を向けた。その艶めいた視線に見覚えがあった。何度も腕の中で名前を呼び、達った愛しい者の向けた視線を間違うはずもない。
「大丈夫か、え……鏡弥なのか……?」
肩を揺すると透明な涙がつっ……と、静かに流れ落ちた。
顔を覆った青年が細い嗚咽を漏らした。
「陽太さん……。お願い、信じて……。ぼくは、充弥(みつや)だ、鏡弥じゃない。君をだました……鏡弥じゃない。」
「どういう事だ……?騙す……?一体、君は何者なんだ?何を知っている、言ってくれ。」
呆然とする陽太の前に、不意に現れた鏡弥とそっくりな充弥の存在。
抜き差しならない金融業者への借金と、良く似た二人……。陽太は起こった事態に立ち尽くしていた。
遅くなりました。すまぬ~(´・ω・`)
上記に書いてありますが、この先痛い描写も出てまいります。
展開上必要な個所ですが、今は個人のHPであげるべきだったとちょっと後悔しています。大丈夫かなぁ……。
此花咲耶
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