鏡の中の眠れるヘルマプロデュートス 8
「鏡の中の眠れるヘルマプロデュートス」 以後の話は展開上、予告なく加虐描写などが出てまいります。
ご注意ください。興味のない方、理解できない方は、速やかにお帰り下さい。
「陽太さん。……鏡弥は君を騙したんだ。ごめんね……ぼく、知っていても何もできなかった。内側で、じっと見ているしかできなかった。」
「内側で見てた……?」
「う……ん。ぼくも……鏡弥も、最初から、陽太さんを騙すつもりで近付いたんだよ。」
「最初から全部、ぼくは知っていた。みんな、鏡弥が仕組んだんだ。鏡弥は陽太さんの事……優秀な医学生を見つけたって言ってた。どうしても止められなかった。陽太さんがこうなるの知ってたけど……ぼく……。墮ちてゆくの知っていたけど、見ているしかできなかった。だけど、何とかしたくて、やっと出られたから別れてくれって言いに行ったのに……。」
「陽太さんは、わかってくれなかった。一番最初に会ったのは、ぼくだったのに。本当にぼくが、わからない……?」
傷だらけの剥き身で泣き縋る「充弥」と名乗った「鏡弥」に、陽太は困惑していた。陽太が鏡弥の身体を見間違えるはずはない。数日前に付けた、吸痕の赤い痣が、胸に薄く残っていた。
想像を超えた事態に、今一つ陽太は信じられないでいた。そばにいる男たちは皆、愉快でたまらないという顔をしている。なあ……教えてやろうかと、金融業者の社長が陽太に耳打ちした。
「鏡弥が事故ったって、あんたに電話をしただろう?助けてくれ、どうしていいかわからないって。」
「……ああ。」
泣きじゃくる青年に視線を向けたまま、陽太は肯いた。陽太には状況がまだはっきりとは見えていなかった。陽太がどうしても守りたかった鏡弥……今は、充弥だと言うほっそりとしたそっくりな青年は、じっとうつむいて、寝台の上で肩を震わせている。その身体は、再び背後から誰かに持ち上げられると、揺すられ、たわめられ始めた。
微かに抗っては見ても、水底で藻にかかった病葉のように救い上げるすべはない。
抗いもせずゆらゆらと揺れる上半身は、風に弄られる感情の無い葦(あし)のようだ。半分意識を失っているのか、半眼の目が焦点を失って力なくどこかを見ている。
だが、その鏡弥は、どこか陽太の知る鏡弥とは違っている気がする。最初に出会ったのは、自分だったと青年は語った。
「なあ。こいつの病室に行ったことがあるかい?最初、病院のロビーで車椅子に乗ったこいつを見て、放っとけないって思ったんだろう?」
「こいつとは、いつも病院の面会室か食堂、ロビーでしか会えていないはずだがな、どうだ?」
陽太は、思い返していた。確かに電話口で泣きながら告げた鏡弥の声に、驚いて大学を飛び出し、病院の入り口で俯く鏡弥を見つけたのだ。
頼りなく青ざめた顔で、足にギブスを巻き車椅子に乗っていた。か細い声で、陽太しか頼る者が無いんだと鏡弥は泣いた。
「あんたも大概、素直な良いカモだよ。こんな小悪魔に入れこんで何百万も使っちまってさ。いや、もうすぐ桁が変わるかな。そんなにこいつが大事かい?信じ切っていたから、入院していると思い込んでいた、そうだろう?問い合わせりゃ、すぐに分かることだったんだが……くくっ。」
男の笑い声が響く。陽太の脳で警鐘ががんがんと鳴っていた。そこにいる充弥と名乗る鏡弥が犯されているのをじっと見つめていた。何度も腰を打ち付ける男の下で、鏡弥は静かに泣いていた。
「カモにした……?」
鏡弥は濡れた頬を向け、「ゆるして……陽太さん、ゆるして……」と頭を振り力なく呟くように陽太に告げた。
「どういう事だ、鏡弥!俺をだましたのか?何のために?」
「違う!陽太さんを騙したのは、ぼくじゃない、信じて、陽太さん――!」
男たちがふっと顔を見交わし、軽く笑い合った。鏡弥の腕を取り、一つにまとめるとガチャリと硬質な音をさせて背後で一つに縛めてゆく。「いやーっ…」と、逃げる鏡弥を男たちはまだこの上蹂躙するつもりだった。思わず止めに入ろうとした陽太に、「おまえは黙って見ていろ!」と鋭い怒号が飛ぶ。
「会いたいんだろう?鏡弥を、連れて来てやるよ。」
「いやあっ……!助けて、陽太さん……助けて!」
陽太さんと、濡れた瞳が呼んだ。
「あ……。」
今更のように気付く。
鏡弥は、陽太の事は呼び捨てでしか呼ばない。充弥が陽太さん……と、啼いた。
「充弥くん……。」
昏い闇に引き込まれるようにして、充弥の白い足が空を掻く。陽太の見つめる中で、充弥は延ばされて人形のように引き裂かれた。
陽太を呼ぶ口に、シーツの端が押し込まれ悲鳴と唾液を吸った。男たちは、慣れた手つきで、充弥を火刑にされる罪びとのように広げて行く。
寄ってたかって蹂躙される、惨憺たる残酷な風景から陽太は目を離せなかった。止める事さえ忘れ、火を噴くような視線を向けて、じっと食い入るように見つめていた。抜き差しされる水音だけがかすかに響き、吐息と苦痛に喘ぐ青年が、儀式のようにはりつけにされていた。
哀れだが、しっとりと薄く汗を浮かべて発光する青年は、目を離せないほどに美しかった。
陽太は二次性徴期の中学の頃からずっと心の内で、そんな姿を欲していた……。下半身がずくん……と熱を持つ。鏡の向こうに蠢く、ニンフ(精霊)のサルマキスに強姦される、類いまれな美少年ヘルマプロデュートスを見つめていた。
「……ああ……。」
残酷で隠微で官能的な、目の離せない爛れた光景が長い間続いた。
「ずるいよなぁ、充弥。痛くされたらお前は深く潜っちまうんだよなぁ。ほら、辛かったら、さっさと鏡弥と代わりな。いつものように、さっさと内側にすっこんでな……。」
ぱん!と突きいれた腰の合わせから、敷布に薄い鮮血が散って、白い筋肉がうねった。
のけぞった頭上から別の男が、口中の物を抜き取り、代わりに育ちきった自分の黒々と隆起した物を咽喉奥に突き込んだ。
酷い扱いに鏡弥の全身が痙攣する。陽太は、茫然と肉の饗宴を見つめていた。
鏡弥がこんな目に合わないように、これまで必死で金を作って来たのを忘れていた。
「おい、しっかり見てな、あいつが出て来るぜ。」
はっと、陽太は我に返った。
( ゚д゚ ) ジーッ……
|゚∀゚)←鏡弥
ヾ(。`Д´。)ノ充弥:「死ぬわ~!此花のぼけ~、かす~!」
ご注意ください。興味のない方、理解できない方は、速やかにお帰り下さい。
「陽太さん。……鏡弥は君を騙したんだ。ごめんね……ぼく、知っていても何もできなかった。内側で、じっと見ているしかできなかった。」
「内側で見てた……?」
「う……ん。ぼくも……鏡弥も、最初から、陽太さんを騙すつもりで近付いたんだよ。」
「最初から全部、ぼくは知っていた。みんな、鏡弥が仕組んだんだ。鏡弥は陽太さんの事……優秀な医学生を見つけたって言ってた。どうしても止められなかった。陽太さんがこうなるの知ってたけど……ぼく……。墮ちてゆくの知っていたけど、見ているしかできなかった。だけど、何とかしたくて、やっと出られたから別れてくれって言いに行ったのに……。」
「陽太さんは、わかってくれなかった。一番最初に会ったのは、ぼくだったのに。本当にぼくが、わからない……?」
傷だらけの剥き身で泣き縋る「充弥」と名乗った「鏡弥」に、陽太は困惑していた。陽太が鏡弥の身体を見間違えるはずはない。数日前に付けた、吸痕の赤い痣が、胸に薄く残っていた。
想像を超えた事態に、今一つ陽太は信じられないでいた。そばにいる男たちは皆、愉快でたまらないという顔をしている。なあ……教えてやろうかと、金融業者の社長が陽太に耳打ちした。
「鏡弥が事故ったって、あんたに電話をしただろう?助けてくれ、どうしていいかわからないって。」
「……ああ。」
泣きじゃくる青年に視線を向けたまま、陽太は肯いた。陽太には状況がまだはっきりとは見えていなかった。陽太がどうしても守りたかった鏡弥……今は、充弥だと言うほっそりとしたそっくりな青年は、じっとうつむいて、寝台の上で肩を震わせている。その身体は、再び背後から誰かに持ち上げられると、揺すられ、たわめられ始めた。
微かに抗っては見ても、水底で藻にかかった病葉のように救い上げるすべはない。
抗いもせずゆらゆらと揺れる上半身は、風に弄られる感情の無い葦(あし)のようだ。半分意識を失っているのか、半眼の目が焦点を失って力なくどこかを見ている。
だが、その鏡弥は、どこか陽太の知る鏡弥とは違っている気がする。最初に出会ったのは、自分だったと青年は語った。
「なあ。こいつの病室に行ったことがあるかい?最初、病院のロビーで車椅子に乗ったこいつを見て、放っとけないって思ったんだろう?」
「こいつとは、いつも病院の面会室か食堂、ロビーでしか会えていないはずだがな、どうだ?」
陽太は、思い返していた。確かに電話口で泣きながら告げた鏡弥の声に、驚いて大学を飛び出し、病院の入り口で俯く鏡弥を見つけたのだ。
頼りなく青ざめた顔で、足にギブスを巻き車椅子に乗っていた。か細い声で、陽太しか頼る者が無いんだと鏡弥は泣いた。
「あんたも大概、素直な良いカモだよ。こんな小悪魔に入れこんで何百万も使っちまってさ。いや、もうすぐ桁が変わるかな。そんなにこいつが大事かい?信じ切っていたから、入院していると思い込んでいた、そうだろう?問い合わせりゃ、すぐに分かることだったんだが……くくっ。」
男の笑い声が響く。陽太の脳で警鐘ががんがんと鳴っていた。そこにいる充弥と名乗る鏡弥が犯されているのをじっと見つめていた。何度も腰を打ち付ける男の下で、鏡弥は静かに泣いていた。
「カモにした……?」
鏡弥は濡れた頬を向け、「ゆるして……陽太さん、ゆるして……」と頭を振り力なく呟くように陽太に告げた。
「どういう事だ、鏡弥!俺をだましたのか?何のために?」
「違う!陽太さんを騙したのは、ぼくじゃない、信じて、陽太さん――!」
男たちがふっと顔を見交わし、軽く笑い合った。鏡弥の腕を取り、一つにまとめるとガチャリと硬質な音をさせて背後で一つに縛めてゆく。「いやーっ…」と、逃げる鏡弥を男たちはまだこの上蹂躙するつもりだった。思わず止めに入ろうとした陽太に、「おまえは黙って見ていろ!」と鋭い怒号が飛ぶ。
「会いたいんだろう?鏡弥を、連れて来てやるよ。」
「いやあっ……!助けて、陽太さん……助けて!」
陽太さんと、濡れた瞳が呼んだ。
「あ……。」
今更のように気付く。
鏡弥は、陽太の事は呼び捨てでしか呼ばない。充弥が陽太さん……と、啼いた。
「充弥くん……。」
昏い闇に引き込まれるようにして、充弥の白い足が空を掻く。陽太の見つめる中で、充弥は延ばされて人形のように引き裂かれた。
陽太を呼ぶ口に、シーツの端が押し込まれ悲鳴と唾液を吸った。男たちは、慣れた手つきで、充弥を火刑にされる罪びとのように広げて行く。
寄ってたかって蹂躙される、惨憺たる残酷な風景から陽太は目を離せなかった。止める事さえ忘れ、火を噴くような視線を向けて、じっと食い入るように見つめていた。抜き差しされる水音だけがかすかに響き、吐息と苦痛に喘ぐ青年が、儀式のようにはりつけにされていた。
哀れだが、しっとりと薄く汗を浮かべて発光する青年は、目を離せないほどに美しかった。
陽太は二次性徴期の中学の頃からずっと心の内で、そんな姿を欲していた……。下半身がずくん……と熱を持つ。鏡の向こうに蠢く、ニンフ(精霊)のサルマキスに強姦される、類いまれな美少年ヘルマプロデュートスを見つめていた。
「……ああ……。」
残酷で隠微で官能的な、目の離せない爛れた光景が長い間続いた。
「ずるいよなぁ、充弥。痛くされたらお前は深く潜っちまうんだよなぁ。ほら、辛かったら、さっさと鏡弥と代わりな。いつものように、さっさと内側にすっこんでな……。」
ぱん!と突きいれた腰の合わせから、敷布に薄い鮮血が散って、白い筋肉がうねった。
のけぞった頭上から別の男が、口中の物を抜き取り、代わりに育ちきった自分の黒々と隆起した物を咽喉奥に突き込んだ。
酷い扱いに鏡弥の全身が痙攣する。陽太は、茫然と肉の饗宴を見つめていた。
鏡弥がこんな目に合わないように、これまで必死で金を作って来たのを忘れていた。
「おい、しっかり見てな、あいつが出て来るぜ。」
はっと、陽太は我に返った。
( ゚д゚ ) ジーッ……
|゚∀゚)←鏡弥
ヾ(。`Д´。)ノ充弥:「死ぬわ~!此花のぼけ~、かす~!」
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