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さだかつくんの恋人 3 


「湊くん!大変、ひよこ組でさあちゃんが、新人に襲われてる~!」

隣のクラスがにぎやかなので覗きに行った子が、湊にご注進してきた。

「は?どゆこと?」

「さあちゃんが、転入生にぱんつ取られて泣いてるって。」

「また女の子と間違えらて、証拠見せろとか言われたんだな。仕様ないな~。」

こまどり幼稚園を仕切るみんなの湊くんが、可愛い弟の為に腰を上げて、年中さんのひよこ組にやってきた。転入生が来るたびに、こういう事になるので周囲も慣れていた。
後から自称「湊くんの親衛隊」の女の子たちが連なってやって来る。
元はと言えば、自分が青いスモックを取り上げたせいで、禎克が桃色スモックを着ていることが発端なのだが、その辺はあえて不問らしい。

「おい、新入り。何やってんだ。禎克のぱんつ脱がして泣かしてんじゃねぇ。」

「うわああ~~~んん!!おねぇちゃ……じゃない、湊くん~!」

……こんな時まで、律義な禎克だった。

下だけ取られた間抜けな格好で、禎克は号泣していた。可哀そうなおちんちんが、しょんぼりぶら下がって男の子だと主張しているはずだったが、太腿の間に挟まって今は割れ目ちゃんにしか見えない。

「不憫な奴……。」

湊は思わず天を仰いだ。ぱんつ取られた時くらい、堂々と男だろって主張すればいいのに。

「何でぶら下がってんだよ!」

「男だもん。当たりまえだもん。生まれつき付いてるもん~。」

禎克は懸命に泣きながら抗議していたが、誰も聞いていない。むしろ禎克が熱くなる度、周囲は「可愛い~」と声を上げた。

「……引っ張れば取れるかな。」

「……?取れるのか、これ。」

男の子になりたい湊が食い付いた。

「ん?だって、こいつに付いてたって、おちんちん無駄じゃね?」

「そうだな。いっそ湊についてたほうが良いよな?湊にはないんだ、おちんちん。」

「え?まじで?お前、すげぇかっこいいのに。何か、残念だな。」

「だろ?何かさ、親が言うには、湊が腹の中にうっかり残して来たのが、何かの間違いでさぁちゃんにくっついちゃったらしいんだな。だから、さあちゃんのおちんちんは、ほんとは湊のじゃないかと思ってる。」

「どうかしたら、外れるのかな、これ。」

姉と転入生が禎克の股間の前に座り込み、手のひらにちっこいぴんくのぞうさんを乗せて調べ始めた。ほおっておけば、本当に禎克の小さな男の子の徴(しるし)は股間から消えるかもしれない。
しばらくそのままにしていた禎克だったが、とうとう余りに理不尽な二人に切れた。

「ばかっ!ばか、ばか、ばかっ!くっ付いてるんだからね。離れないんだからっ!誰にもあげないっ、うわああ~~~~ん……ぼく、男なんだから~~~っ!」

闇雲にぶんぶんと手を振り回し、禎克は思い切り二人をぶった。余りの勢いに、周囲は驚いて呆然と遠巻きに見守っている。可愛いさあちゃんが、大暴れするとはだれも思っていない。時代がかった作者なら、姫ご乱心と言いたいところだった。←

ひよこ組の誰かが川俣先生を呼びに行ってくれなかったら、下半身丸出しのまま、禎克は力の限りずっと二人を追い回していたかもしれない。
先生が入って来たのは、粘土板を両手で握り締めた禎克が、柏木大二郎に馬乗りになり、力任せにばんばんと頭を叩いているところだった。

「禎克くん!?」




ウワァァ-----。゚(゚´Д`゚)゚。-----ン!!!! ←ぱんつ脱がされて切れました~。

本日もお読みいただき、ありがとうございます。(*⌒▽⌒*)♪
可愛いさあちゃん、受難の日々です。(´・ω・`)


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