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小説・若様と過ごした夏・1 

うちは、共稼ぎなのね。


だから、一学期の終業式を終えたら、ママの田舎で両親が夏季休暇になるまで待ってた。


一人で朝から晩まで、お留守番させるのはかわいそうって言うのが理由で、小学校の頃から、夏休みは毎年うんと退屈な田舎暮らし。


今みたいに、学童保育もなかったしね。


でも、田舎はうんと退屈なの。


女の子はカブトムシとか、ザリガニにも興味ないし。


・・・でも、今年は違っていた。


中学二年生のあたしは、うんと可愛い若様と、忘れられない夏をすごすことになる。


彼は、あたし篠塚真子のご先祖さまだった。


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