漂泊の青い玻璃 61
いつか自然に、二人の指が伸ばされて、琉生のなめらかな肌を競い合って這う。
「か……わりばんこじゃないと……はふっ……」
琉生の抗議の声は、尊の唇が吸った。
「琉生は何も心配しなくていいんだよ。」
「琉生、ここは……好き?感じる?」
「かん……あぅっ!」
声にならない声を上げて、空調の利いた中、薄く汗に浮いた琉生の身体が小さく跳ねた。
「驚いた。琉生はずいぶん敏感なんだな。」
「ふふっ……嬉しそうだな、隼人。」
「兄貴と違って、こっちは我慢してきたからな。待った分、今日は取り返させてもらう。」
「急くなよ?逃げたりしないんだから。」
二人の会話を聞いた琉生は怖じた。
「……二人とも、いつもと違う。何だかこわいよ。」
「誰も琉生にひどい事なんてしないよ。」
「ほんと?」
「食っちまいたいほど可愛いとは思うけどな。」
「食べたらきっとまずいよ?」
「琉生……数学だけじゃなくて、国語もできないだろ?」
「ぶ~」
*****
尊の言う「はんぶんこ」の波に、琉生は翻弄されていた。
電気を消してくれという願いは却下され、灯りは琉生を照らし二人の兄の視線の元で蒼い肌を晒していた。
琉生の全ては兄たちに隅々まで見られていた。
「……はっ……はっ……」
薄い胸の突起を弾かれただけで、甘い吐息が出る。
淡い茂みの下から勃ちあがったささやかな自らの昂まりに、琉生自身が戸惑っていた。
ふっと微笑んで尊は手を伸ばすと優しく持ち上げ、感じやすい先端に息を吹きかけた。
背筋を快感が走り、きゅっと縮んだ双球が震える。
「隼人……ほら……琉生のここ、こんな風になってるんだ。可愛いだろう?僕らの琉生が大人になって、僕らの手で感じてる。隼人も僕も、ずいぶん待ったな……。」
「ああ。やっとこの日が来た。」
隼人の褐色の身体は筋肉質で引き締まり、琉生には眩しかった。
運動とは縁のないはずの尊も、貧弱な琉生とは違い、薄く筋肉が乗っている。
琉生は思わず、タオルケットを引き寄せ貧弱な体を隠したが、あっさりと二人に奪われた。
くいと指で呼ばれた隼人が膝頭を押さえて足の間に割って入り、言われるままに琉生の内腿に指を這わせた。ゆっくりと確かめるように琉生を見つめたまま、下肢を何度も張り付けた手のひらで上下に撫でる。
隼人の二の腕にぶら下がるようにして、琉生は必死に止めた。
「だっ、駄目。」
「やめる?」
「ううん……でも……そんなことしちゃ、駄目……」
「どうして駄目なんだ?理由を言ってみろ?」
「……やだ。言わない。」
「言わなきゃ、言いたくなるようにしてやる。」
「……あっ……」
琉生はとうとう顔を覆ってしまった。両足の間に顔を埋めた隼人が、琉生のセクスを捉えて巻き付けた舌を上下すると、逃げようとして身を捩る。
足先が震えて、むなしく空を掻いた。
甘噛みされると、たまらずのけぞって喉元を晒す琉生の頭を、尊は背後から覆いかぶさるようにすると、抗う手を掴んだ。
両手を外そうと緩く抵抗したが、やがて諦めてなすがままに口腔を蹂躙されている。
少しは琉生にも知識はあったし、年相応に自慰の経験もある。
それでも、こういう経験は初めてだった。
兄達から絶え間なく与えられる快感のうねりに、青い琉生は逃れようもなく呑まれ溺れた。
誰かの手で追い詰められる行為は初めてで、兄達の愛撫は眩暈するほど心地よく、幾度もぶるりと全身が喜悦に震えた。
「ほら、琉生。口開けて……怖くないだろう?キスするんだよ。」
「キス……?」
下りてきた尊の唇に蹂躙されながら、おずおずと琉生は舌を絡め応えた。
「んっ……る兄ちゃん……」
あやすように、宥めるように根気よく傷付けないように細心の注意を持って、琉生の身体が拓かれてゆく。
緊張して張り付いた青い胡桃を揉みしだき、時間をかけて頑なな絞りを濡らして丁寧に解してゆく。
波のように襲い来る快感に耐えながら、それでも琉生は、やめてくれとは口にしなかった。
大好きな二人の兄に、いつかこうして全身を愛されたかった自分に気付く。
二人の兄に煽られた全ての箇所が次々と火を吹くようで、切なくて泣きそうになる。
どちらかの長い指が子蛇のように侵入して、最奥で蠢くのを感じると、下肢の昂ぶりが一気に熱を持ち、爆ぜそうになって知らず腰が揺れた。
前方が固くしこり、透明な露を抱いた。
「い、達っちゃう……」
「いいよ。見ててやるから達け、琉生。」
「や……だ。そんなとこ、見ないで。」
「どうして?じゃあ、どうして欲しいか言ってごらん。琉生のして欲しいようにしてやるから。」
見つめる兄の視線に励まされて、琉生はとうとう本音を吐露した。
「もっ……と。」
「もっと?それから?琉生……言って、琉生。」
「……もっと愛して。もっと、ぎゅっとして……放さないで。」
くすりと尊と隼人が視線を交わして薄く笑う。
「ちび琉生の欲張り。やっぱり琉生は、甘えん坊だな。」
「いいよ、僕らの可愛い琉生。いっぱい愛してあげる。蕩けてしまうまでね……」
「俺たちは、ずっと、この日を待っていたんだ。おいで、琉生。やっと願いがかなう……」
「ん……」
ふっと安堵したように、隼人の胸に縋り細めた琉生の双眸から、温かい涙が滴り落ちた。
距離を置いたかのように見えた兄達が、今は手を伸ばせば届くほど傍に居る。
大好きな尊と隼人に愛されて、寂しかった琉生の心が満ち足りていた。
寺川の家に来て、二人と出会った時から、ずっとこの日を来るのを待っていた気がする。
母が居なくなった哀しみも空虚な日々も、二人の兄がいたから耐えられた。
唇を尊に吸われながら、琉生のセクスは隼人に愛されていた。
代わる代わる琉生の中に注ぎ込まれる、愛の証し。
胸を合わせて琉生は喘ぎ啼いた。
「尊兄ちゃん、隼人兄ちゃん……ああっ……っ」
「琉生……」
「琉生。」
いつかの幼い日のように、尊と隼人の心臓の音を聞きながら、意識を手放した琉生は眠りに落ちた。
二人がどこかへ行ってしまわないように、ぎゅっと固く指を握ったまま……
生まれたばかりの子猫の兄弟のように、三人は丸くなって眠った。
本日もお読みいただきありがとうございます。(〃゚∇゚〃)
[壁]ω・)……がんばったんだけど……読み返すと拙さが目立ちます。
穴があったら……挿れたいです……(´・ω・`)
でも頑張ったので、敢闘賞~|)≡サッ!!
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