嘘つきな唇 7
どんな高校にもはみ出し者は存在する。程度にもよるだろうが、公立の進学校も例外ではなかった。
彩の後を追って同じ学校に入学した朔良は、中学から始めたハイジャンプを続けようと陸上部を選んだが、そこで島本と粗暴な友人たちに出会ってしまった。
彼らが籍を置く陸上部は活動実績がほとんどない部で、部室が溜り場と化していたのを朔良は知らなかった。朔良に一緒に校内を回る友人がいなかったのも影響した。
校内での噂も何も知らない見目良い新入生が、ただ一人学校案内を手に、人気のない陸上部部室のドアを開けた時、誰かの手が伸びて来てぐいと暗闇に引きずり込まれた。
「なっ……放せ!やめろ!わーーーーっ……」
何が何だかわからないまま、衣類がはぎとられ誰かの手や唇で朔良は長い間蹂躙された。ロープやマット、朔良を縛める用具は部室の足元に転がっていた。
悲鳴は突っ込まれた自身の下着が吸った。
何が起こったか理解できない朔良は、茫然と闇に向かって瞠目していた。
闇に眼が慣れた頃、彩がそっとあいつらだけには関わるなよと、入学時に耳打ちした上級生に囲まれているのを知った。
乱暴されましたと、そのままの格好で教員室に駆けてゆき、泣き喚けばよかったのかもしれない。
例え主犯格の島本の父親が父母会の役員でも、朔良が肩を震わせれば、教師も島本と仲間の狼藉を庇い立て出来なかったはずだ。何らかの処分が下るはずだった。
だが、朔良はそうしなかった。
朔良の自尊心は、彩に穢されたと知られる位なら沈黙を選んだ。彩の前では、清らかで無垢な小さな子供でいたかった。
「あら~、入部希望者だったみたいだね。こいつ入部希望書持ってたよ。」
「陸上部の新人なら、もっと優しく扱ってやったのに。……つか、活動してるやつ、この中に居るか?手ぇ上げてみろ。」
「いません~。」
「おい、島本~。お前もっと優しくしてやれって。そのまま突っ込んだら、そいつ壊れるぞ。」
「こんな肉の無いガキのどこがそんなにいいのかね~。胸のでかい女の方がよくね?」
「ほっとけよ。島本と俺等は趣味が違うんだ。」
島本と呼ばれた上級生は、長い時間、朔良を離さなかった。
思いがけず巣穴に転がり込んできた小動物を喰らうように、剥き身にされた朔良を弄っていた。
「なんだ。手つかずなのか?半分皮かむってら。」
「ううーーーーっ……」
「初めてなら優しくしてやらねぇとな……」
やっと許されて、のろのろと衣類を拾い集める裸の朔良を、邪な劣情を放った数人の上級生がほくそ笑んで見詰めていた。覚えのある粘り気のある液体に、朔良はあちこち汚されていた。
凌辱は一度では済まなかった。
彼らは朔良が激しく嫌悪しながらも、何も言わないことで同意を得たと増長した。朔良の心身は呼び出される度ますます傷ついたが、大好きな彩に乱暴されたと知られるわけにはいかなかった。実際、彼らに直接犯されたわけではない。島本以外は、女の代わりにと面白がって素股を使った。
「朔良姫、まじ綺麗な顔だな。」
「いっそ女なら良かったのに。」
太腿が粘り気のある液体でぬめるのを、歯をくいしばって耐えていた朔良だったが、我慢の限界に来ていた。このまま性欲処理の道具にされ続けるなど、耐えられなかった。
彼らの行為が、次第にエスカレートしてゆくのも想像がつく。
本日もお読みいただきありがとうございます。(〃゚∇゚〃)
朔良をこの暗闇から救うのは……?
これから深くかかわることになります。
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