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紅蓮の虹・3 

閉めた扉の向こうに、何人かの気配を感じる。

そりゃあ、あいつらも気になるよな~。

「お父上のお言いつけで、長年お探し申し上げておりました。」

「お母上が、ご一族の生活にお疲れになって、屋敷を出奔以来・・・」


あの~・・・

もう少し簡単な日本語で、お願いします。

かいつまんでいうなら、俺のじいさんとばあさんと、母親の折り合いが悪く、母親は俺を連れて家出したってことらしかった。

それって、ドラマや漫画でよくある話じゃん。

で、行方を捜してやっと見つけたって?

・・・超、うそくせぇ・・・

「じゃ、母親も見つけたの?」

おい、爺さん。

そんな一目で、わかるような悲しげな表情を浮かべないで下さい。

「わからなかったんだ?」

「申し訳ございません。」

「心当たりは、全てお探ししたのですが、皆目見当違いで、お母さまのお国の方へも使いを送ったのでございますが、残念ながら・・・。」

お国って?

「ポルトガルでございます。」

まじで、かんべんしてください。

東洋系にありえない赤毛の理由が、そこですか。

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