夏の秘めごと 12
ぬるま湯を掛けられた禎克は、背中を向けてそっと濡れたジャージを脱いでいた。
別に恥ずかしくもなんともないのだが、下着がぬめって気持ちが悪かった。自分から出た物とはいえ、帰りのバスの中を思い出して憂鬱になる。
そっと、汚れたぱんつだけを抜き取ってタオルに挟みこむと、シューズ入れに押し込んだ。
大二郎が下からひょいと覗き込んだ。
「わ。」
「さあちゃん。お背中流しましょうか?」
「結構です。お風呂は一人で入るし。」
「ええ~、つまんない~。やだ~。」
「やだ~って……、湯船、二人で入るには狭いよ?」
「さあちゃんと、お風呂に入りたいよう~。」
「大二郎くん、子供みたいだ。」
内心、禎克の方こそ子供みたいだと思っていた大二郎は、すり寄った。背後から、くだんのぱんつを丸めてバッグの隅に、そっと押し込んだのを見て、そこに何かあったと感じていた。
「キスしよ、さあちゃん。こっち向いて。」
「うん。お風呂から出てか……んっ、ん~~っ!!」
首に腕を回してぶらさがった大二郎に押されるようにして、風呂に入った。温い湯を張った湯船に抱きあって入り、キスを交わしながら熱いシャワーを浴びた。
「洗ってあげる。」
「いいよ、自分で洗う……って。」
さっさとスポンジを取り上げて、泡立てると大二郎は背後に回った。
「さあちゃん、背中広いね~。」
背中に張り付いた大二郎のいたずらな指が、禎克をくすぐってゆく。
しんなりとうつむいていた若い茎は、大二郎の指がそっと触れただけで芯を持って、禎克を慌てさせた。泡の中を滑る指が、何もない胸を強引に探り、隠れていたささやかな突起を弾いてゆく。
「だ、大二郎くんも洗ってあげるよ。」
「ほんと……?」
「……うん。」
含んだような言い方に、思わず口ごもる。大二郎の手から逃げる口実にすぎなかった。
「じゃあ、全身くまなく綺麗に洗ってね。全部だよ……さあちゃん。ここも。」
手を引っ張って下肢に当てたら、思わず禎克が、手を引いた。
「逃げちゃ駄目。おれ達、久しぶりにやっと会えた最愛の恋人同士なんだからね。おれのこと見て、ちゃんと好きだって言って。」
「……好きだよ、大二郎くん。」
「もっと。」
「大好き。ずっと好きだった。」
「おれ、さあちゃんのこと、ちゃんと抱きたい。大人の方法で、愛し合いたいんだ。」
「……抱き合ってるけど……?」
「うん、そうだね。でも、おれはもっと深く一つになりたいの。」
「キスしたよ……?」
大二郎は、もう一度深いキスを贈ると、掻きついたまま正面から見上げた。
「さあちゃんは初めてだろうけど……おれのこれ、さあちゃんの中に入れてもいい……?おれの言う「一つになる」って、そういうことなんだ。」
「これって……。大二郎くんのち……んこ。」
「これ以上詳しく言わせるの?さあちゃん、おれに言葉攻めする気なの?」
「……こ、こっ……」
「こけこっこは、にわとりに任せて。さあちゃん、力抜いて。」
泡の中を這った指が、自然に禎克を追い詰め、そっと内側に忍び込んだ。思わず逃げようとする腰をぐいと引き寄せる。
「優しくする。絶対にさあちゃんを傷つけないよ。本当は最初に逢った時にそうしたかったけど、大事な試合だったでしょ。だから、我慢したんだよ……?」
つぷっ……と、侵入してきた指を感じた禎克は、首まで真っ赤にしたまま硬直してしまった。禎克の知らない世界が、なまめかしく揺れていた。
(`・ω・´) 大二郎 「もう逃がさないぞ、さあちゃん!」
(°∇°;) 禎克 「……こ、こっ……」
(〃゚∇゚〃) 此花 「がんばれ~!」←一番がんばらなければいけない人。
本日もお読みいただきありがとうございます。
拍手もポチもコメントもありがとうございます。
とても励みになっています。うれしいです。 (*⌒▽⌒*)♪此花咲耶
にほんブログ村
- 関連記事
-
- 夏の秘めごと 19 【最終話】 (2012/09/14)
- 夏の秘めごと 18 (2012/09/13)
- 夏の秘めごと 17 (2012/09/12)
- 夏の秘めごと 16 (2012/09/11)
- 夏の秘めごと 15 (2012/09/10)
- 夏の秘めごと 14 (2012/09/09)
- 夏の秘めごと 13 (2012/09/08)
- 夏の秘めごと 12 (2012/09/07)
- 夏の秘めごと 11 (2012/09/06)
- 夏の秘めごと 10 (2012/09/05)
- 夏の秘めごと 9 (2012/09/04)
- 夏の秘めごと 8 (2012/09/03)
- 夏の秘めごと 7 (2012/09/02)
- 夏の秘めごと 6 (2012/09/01)
- 夏の秘めごと 5 (2012/08/31)