夏の秘めごと 6
「あ、はい。すみませんっ。」
前方に声を掛けたが、上谷の発した単語一つに心臓が跳ねたまま動悸が収まらない。
試合の後で知ってしまったとんでもない事実に、禎克は焦りまくっていた。
「あの……上谷先輩?ここよりも、キャプテンの所に行った方がいいんじゃ……?」
「なんで?」
「なんで……って。」
顔色も変えない上谷に、さっきの二人の会話はなんだったんだと問いたくなる。上谷は禎克の心を見透かしたように、口角の片方だけを上げた。
「キャプテンは怪我をしているから、ゆっくり一人で座った方が良いだろ?」
「あ、そうか……。」
「俺は、金剛と新チームについて話すつもりだったんだがな。邪魔か?」
「いえ、そんなことないです。」
「新チームは、俺がキャプテンを引き継ぐことになると思う。」
「はい。」
「金剛はポイントガードとして、チームの要になる。」
バスケに関しては、禎克もチームについて話をしたいと思っていた。チームについて話はしたい……したいが、困る。
非常に困る。
「あ、あの……っ。せ、先輩。」
「なんだ?」
「手が……。」
話をしながら、上谷の手は禎克の太腿に乗せられ、静かに内側に向かって動いていた。
しかも一点に集中して、くすぐるように這うように、下肢のそこばかりで蠢く指に、思わず反応してしまい、慌てて上から握り込んだ。
刺激を受けて、ずんとこそばゆいような熱が集中する。
「それ以上は、だめ……です。上谷先輩……出、出ちゃいます……。」
「何が?」
禎克は泣きそうな顔を向けた。
「金剛。静かにしていないと、眠ってるみんなが気が付くよ。こんなところ、見られてもいいの?」
「ど……どうして……?」
「どうしてこんなことをするのかって聞きたいの?」
禎克は相手の腕を抑えたまま、必死に肯いた。耳元に口を寄せて、上谷は吐息のようにささやいた。
「これは、罰だよ。ぴ~ちゃんは、余計な秘密を知ってしまったからねぇ……。俺も弱みを握っておこうと思ったのさ。誰にも言わないって約束、ちゃんと守れる?」
「ま……」
守れると言いたかったが、もうどうにもならなくなっていた。せき止められた劣情が、押し寄せる快感となって背筋をさかのぼる。簡単に抑え込めそうになかった。腕を抑えても上谷は動じなかった。
「発情した?」
ふるっと身震いした禎克は、小さく呻いた。我慢できない。
「……あ、あ……っ。」
上谷が片手で禎克の口を押え、するりとトレーニングパンツの中に手を滑り込ませた。
そのまま勃ちあがった芯を直接ぎゅっと握り込むと、こすり上げる。抗いたくとも、思ったよりも上谷の力は強く、斜めに体重を掛けられて狭い座席で身動きもとれない。
弱った魚のように、禎克は全身で力なく抗った。
「……しっ。」
「声を出すなよ。気付かれるぞ。」
「う、う……っ。」
肘置きを掴む手に力が入り、禎克の腰が逃れようと揺れた。我慢しようとしたが、手慣れた指が敏感なところを狙ってかすめてゆく。
(*/□\*) 禎克 「や……やめて……。」
♪ψ(=ФωФ)ψ 上谷 「ふふふ……。声出すなよ。」
(´;ω;`) 禎克 「あ、あう~……」
(〃^∇^)o彡さあちゃん、がんばれ~……的な。
( *`ω´) 大二郎 「このはな、こら~!」
泣くな、きっと。(`・ω・´)
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