沢木淳也・最後の日 2
「あ。松本さん、ありがとうございます。」
隼を大好きな松本は、いそいそと風呂の支度をしてくれた。
隼の好きそうなお風呂グッズを色々揃えてくれている。いくら何でもと思うが、アヒル隊長の玩具まである。
「一緒に風呂入ろうぜ、隼。」
「ん~、二人で入るには、狭いよ?」
「だから、いいんだろ?……くそ親父には内緒な。」
「うふふ~」
ばかっぷる丸出しの隼と周二が部屋から出て行ったのを確かめて、パパ沢木は口を開いた。
「木本。しばらく留守にするから、隼を預かってくれ。隼には話をしてある。」
木本というのは、周二の守り役で、体調の思わしくない現組長に変わり、木庭組の殆どを切り盛りしている。極道といいながら、時勢を読むのと商才に長けた木本は、シマを守り数件の店を切り盛りしていた。
「広域捜査ですか?……例のあれっすか。マッポのガキを誘拐して、切り刻んでるって言う話聞いてます……」
「ああ。情報早いな。知っていたのか?」
「いえ、自分が知ってるのは記事になってる所までです。そういうのは、うちの組とは関わりないですからね。沢木の旦那、いくら蛇の道は蛇って言っても、情報収集は他所でやってください。木庭組は先々代から、薬と売りは御法度ですから、木本をつついても何も出ませんよ。今は堅気の商売人ですからね。」
「その口ぶりだと、少しは噂でも聞いて知ってるってことか……まあ、いい。捜査はおれの仕事だからな。」
「でも、沢木の旦那が隼坊ちゃんを預けに来るなんて、よほどのことが有ったんじゃないですか?もしかすると、何かかなりやばいことになりそうなんですか?」
沢木はそれには返事をしなかったが、木本は警察とは別の独自のルートで情報を得ていた。
表には出ていなかったが、警察関係者(上層部も含め)の息子が誘拐され、かなり悲惨な状態で発見されたと言う話は、知っていた。
おそらく相当な事件になると、沢木自身も覚悟を決めてここに来たに違いないと、木本も感じていた。
「不本意だが、野獣にも隼を頼んでいくかな。」
「沢木さん……あの。」
「隼をよろしく頼む。……それと、新しく近づいてくる奴に気を付けてくれ。狙われる可能性が高い。」
「わかりました。」
木本にまで深々と頭を下げた沢木を見つめて、内心ざわついたものを感じていた。
「お任せください。隼坊ちゃんだけは、命に代えても守りますから。」
背景をよく見ると、隼がちびった虎さんのカーペットが置いてあったりします。(*⌒▽⌒*)♪
あんまり悩殺じゃないけど、裸エプロンでっす!(`・ω・´)
パパ沢木を描きたかったんだけど、おっさんだから描くのむつかしいです……(´・ω・`)
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