純情子連れ狼 21 【最終話】
「周二くん……もう……とろっとろ……になってる。中が熱いよ……」
「隼、もういれてもいいか?」
「うん。いれても大丈夫……固くなってる。周二くん。ゆっくりいれて……あ……んっ。」
「一気に行くぞ。」
「駄目っ……急に入れたら、白いのが散っちゃうから……あ~っ。」
……つか。
何で、麻婆豆腐作ってるだけなのに、会話がエロくなってんだ?
固くなったのは、水切りした豆腐だ。
隼が振舞うはずの手料理を、結局周二は手伝っていた。
「だって~……周二くんが物足りないって言うから~。サービス?」
「だから、俺は~!」
とろっとろになってる麻婆豆腐の餡じゃなくて、熱さで蕩けるようになったお前が抱きたいの。
水切りした豆腐程度の固さじゃなくて、俺の暴れん棒はもっと固いの。
……白いのが散っちゃうって……それ、お前が零す奴じゃなくて、水溶き片栗粉じゃね~か。
俺はお前の顔に、顔射したいぞ。
とろりとした粘り気のある液体を拭った隼が、色っぽく俺を責める目をする。
ああっ……なんかもう、今すぐひっくり返して、思い切りぶちまけてぇ!
「なぁ、隼。最近ちょっぴり、ぴんくのぞうさん大きくなったんじゃねぇ?ひもぱんの上から先っちょ覗いてるぞ。」
「や~ん……」
「ちょっとだけ、さくら餅食わせろ。」
「お料理中だもん。だめです~、それに、ぱんつ脱がない純愛だもん。」
周二は頬にレーザーポインターの光を感じた。
「おい、野獣。文句があるなら、お前は食わずにそこで見てろ。」
「なんすか、それ?」
「これか?おもちゃみたいなもんだ。命中率上げるために照準器の倍率の高いやつが必要かな~と思って。最近、野良犬がうろうろしてるからな。うっかり、撃っちゃおうかなぁ。ば~ん!なんつって。」
緑の光が、周二を狙う。趙に襲撃された話を聞いて、パパ沢木は飛んできたのだった。
Σ( ̄口 ̄*)「ひぇっ……く、くそ親父~……!俺を殺る気か……」
「うまそうにできたな。隼。」
「うん。良い匂いでしょう?もうすぐできるからね~。」
「隼はパパの膝に抱っこして食べるんだもんな~。熱いからふ~ふ~するからな。」
「パパ。もうぼくは、一人で食べれます~。過保護はいけませんよ~。」
「大人になったなぁ、隼。ほら、座れ。あ~ん。」
「あ~ん……はい、パパにも、あ~ん。熱いから気を付けてね。」
「おお……、上手いな、隼。かなり本格的な味だな。」
「広東風です。」
けっ、丸○屋じゃね~か……
きゃっきゃっうふふ~なこの親子に、いつものように周二が付け入る隙はなかった。
ちくしょう……いつも、こうなるんだ。あ~、まじ腹減った~。
「くっ……」
周二はその場に、がくりと膝を付いた。
「お……俺も……」
「なんだ、野獣。」
「沢木さん……俺も隼の作った麻婆豆腐が食べたいです……」
「周二くん。諦めたらそこで麻婆豆腐は終了ですよ。」
「……はい。」
決して諦めてはいないが、いつになったらこの可愛い生き物は周二のモノになるのだろう。
「あっつ~っ!」
アツアツとろっとろの麻婆豆腐で、口の中を火傷しながら、ため息をついた周二だった。
純情子連れ狼 ―完―
本日もお読みいただきありがとうございました。(〃゚∇゚〃)
なんとか無事に最終回となりました。
結局、周二は隼ちゃんをおいしくいただくことはできませんでしたね。(´・ω・`)
(。´・ω`)ノ(つд・`。)・゚+「なんで、いっつも上手くいかねぇんだよ~」
明日、あとがきとおまけを書きたいと思います。
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