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紅蓮の虹・32 

爺さんは、俺に何かあったときにいつも虹を見なかったかと聞いた。


ああ・・・


そういえば、運動会とかいつも天気なのに虹がかかっていたような・・・


あれか~・・・


脱力~・・・


上から、見てたのか~・・・


別れた父親が運動会に、隠れて子供の様子を見に来る下手な構図が浮かんだ・・・


笑えた。


「じゃ、もう1つだけ教えて。」


「コウゲイは、本当に俺の親父なの?」


爺さんは、一つ大きく息を吐いた。


「虹さまが全ての記憶を辿り、四郎様のことも、その時代の旦那さまのお気持ちも理解されたとき、全てがお分かりになると存じます。」


「・・・ごまかさないで、俺にわかるように言ってよ。」


「コウゲイは俺と二人で一頭の龍だっていうけど、俺、今は人間だし。


龍だった記憶ないんだよ・・・?」


「これ以上は、わたくしから何も申し上げることはできません。」


爺さんは、確かにひどく狼狽していた。


「そう・・?で、その旗は爺さんが描いたの?」


「え・・・いいえ。

わたくしに絵心はございません。」


カマをかけたら、意外にあっさりと顔色を変えてこちらが驚いた。


脇が甘いよ、じいさん。


わかりすぎだっつ~の。


俺、理系だからさ物事組み立てるの、嫌いじゃないんだ。


興味ないけど・・・と言うような顔をしておいた。



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