紅蓮の虹・31
正直、俺は疲れていた。
何本もの興味のない時代劇の映画を、立て続けに見せられたそんな気分だった。
しかも、その先にあるのは紛れもない悲劇なのだ。
全然落ち度のない、清らかな少年が、人々の悲しみを見かねてついに決起する。
正しい行いは正当に評価されることなく、羽根をもがれたように阿鼻叫喚のるつぼへと落ちてゆくのだ・・・
「どうして、コウゲイは俺を連れてきたんだろう・・・」
「俺がいたって、コウゲイの役に立つと思えない。」
コウゲイのいない夜、爺さんと二人きりだった。
いない時に、あれこれ聞くのはフェアじゃないのかもしれなかったが、ちょっと話を振ってみた。
「旦那さまは、虹さまが成長されるのを、それは楽しみにずっと待たれたのです。」
「あそこにいるって、知っていたって事?」
「だったら、なんでこれまで何も言ってこなかったんだよ。」
俺は、かなり不機嫌になった。
ずっと、天涯孤独と信じていた。
うんとちびの頃には、いわれのない、執拗ないじめも受けた。
親がいないというそれだけで、俺は異端の扱いを何度も受けてきたのだ。
それは、百合にしたってステレオにしたって同じことだった。
人と違う。
その排斥の理由は、いつも余りに理不尽だった。
「今のお立場では、どんなにあいたくとも人前にでるわけにはいかなかったのです。」
別に爺さんを困らせるつもりはなかったが、爺さんはやたらとコウゲイを擁護した。
そりゃ、確かに目立つけど・・・
立場ってなんだよ・・・
わけわかんね~よ。
何本もの興味のない時代劇の映画を、立て続けに見せられたそんな気分だった。
しかも、その先にあるのは紛れもない悲劇なのだ。
全然落ち度のない、清らかな少年が、人々の悲しみを見かねてついに決起する。
正しい行いは正当に評価されることなく、羽根をもがれたように阿鼻叫喚のるつぼへと落ちてゆくのだ・・・
「どうして、コウゲイは俺を連れてきたんだろう・・・」
「俺がいたって、コウゲイの役に立つと思えない。」
コウゲイのいない夜、爺さんと二人きりだった。
いない時に、あれこれ聞くのはフェアじゃないのかもしれなかったが、ちょっと話を振ってみた。
「旦那さまは、虹さまが成長されるのを、それは楽しみにずっと待たれたのです。」
「あそこにいるって、知っていたって事?」
「だったら、なんでこれまで何も言ってこなかったんだよ。」
俺は、かなり不機嫌になった。
ずっと、天涯孤独と信じていた。
うんとちびの頃には、いわれのない、執拗ないじめも受けた。
親がいないというそれだけで、俺は異端の扱いを何度も受けてきたのだ。
それは、百合にしたってステレオにしたって同じことだった。
人と違う。
その排斥の理由は、いつも余りに理不尽だった。
「今のお立場では、どんなにあいたくとも人前にでるわけにはいかなかったのです。」
別に爺さんを困らせるつもりはなかったが、爺さんはやたらとコウゲイを擁護した。
そりゃ、確かに目立つけど・・・
立場ってなんだよ・・・
わけわかんね~よ。
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