紅蓮の虹・37
胸の辺りが、暖かい・・・
ああ・・・百合が呼んでいるのか・・・
胸に秘めた水晶が、小さく振動していた。
飛び起きて、俺は何かに導かれるように図書館を飛び出た。
「すみません、すぐ帰るのでそのままにしておいてくださいっ!」
百合の父親だ。
あっさり引き下がったけど、あいつ、諦めていなかったんだ。
通学路を狙うなんて、マジせこい奴。
コウゲイがいないから、ひたすら走るしかなかった。
百合は車に乗せられまいと、奮闘していた。
「おらぁ!」
見事に、相手のみぞおちに膝蹴りが決まった!
倒れこんで苦しむ、黒服。
「高校生を、なめんなよっ!」
百合の手を掴んで、走った。
「逃げるぞ!」
目配せして、俺たちは駆けた。
「何で今頃、登校してんだよ。狙われるだろ!」
百合はちょっときつい視線を向けた。
現役サッカー部は、足だけは早いんだ。
欲深い親父を振り切って、俺たちは図書館に戻った。
ああ・・・百合が呼んでいるのか・・・
胸に秘めた水晶が、小さく振動していた。
飛び起きて、俺は何かに導かれるように図書館を飛び出た。
「すみません、すぐ帰るのでそのままにしておいてくださいっ!」
百合の父親だ。
あっさり引き下がったけど、あいつ、諦めていなかったんだ。
通学路を狙うなんて、マジせこい奴。
コウゲイがいないから、ひたすら走るしかなかった。
百合は車に乗せられまいと、奮闘していた。
「おらぁ!」
見事に、相手のみぞおちに膝蹴りが決まった!
倒れこんで苦しむ、黒服。
「高校生を、なめんなよっ!」
百合の手を掴んで、走った。
「逃げるぞ!」
目配せして、俺たちは駆けた。
「何で今頃、登校してんだよ。狙われるだろ!」
百合はちょっときつい視線を向けた。
現役サッカー部は、足だけは早いんだ。
欲深い親父を振り切って、俺たちは図書館に戻った。
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