紅蓮の虹・38
「狙われたのか?」
「ううん。」
自分から父親に連絡したのだと、百合は言う。
「ばっかじゃね?」
俺は、あきれた。
連絡したら、拉致されそうになったんだと。
苦労しているわりに、結局、人がいいんだこいつ。
どうせ、借金が膨らんで首が回らなくなっている親父に、少し金を渡そうとか思ったに違いなかった。
「だって!」
「殺されちゃうかもしれないんだよ。」
「お墓を建てるのって、調べてみたらそんなにたくさんお金が必要なかったの。」
「あたしは、バイトでも何でもして働けるし施設にいる間は家賃も要らないから・・・」
そんな百合の気持ちを踏みにじった、父親が許せなかった。
「もうお終いにする。」
「全部渡して、あたし縁をきってもらう。」
・・・バカ、百合。
ハイエナってさ、最後の骨になった獲物の髄まで食うんだぜ。
おまえってば、絶対ヒモに泣かされるタイプだわ、これだから、俺がついていなきゃ。
お人よしに呆れながら、俺はとりあえず、コウゲイの屋敷につれて帰ることにした。
「ううん。」
自分から父親に連絡したのだと、百合は言う。
「ばっかじゃね?」
俺は、あきれた。
連絡したら、拉致されそうになったんだと。
苦労しているわりに、結局、人がいいんだこいつ。
どうせ、借金が膨らんで首が回らなくなっている親父に、少し金を渡そうとか思ったに違いなかった。
「だって!」
「殺されちゃうかもしれないんだよ。」
「お墓を建てるのって、調べてみたらそんなにたくさんお金が必要なかったの。」
「あたしは、バイトでも何でもして働けるし施設にいる間は家賃も要らないから・・・」
そんな百合の気持ちを踏みにじった、父親が許せなかった。
「もうお終いにする。」
「全部渡して、あたし縁をきってもらう。」
・・・バカ、百合。
ハイエナってさ、最後の骨になった獲物の髄まで食うんだぜ。
おまえってば、絶対ヒモに泣かされるタイプだわ、これだから、俺がついていなきゃ。
お人よしに呆れながら、俺はとりあえず、コウゲイの屋敷につれて帰ることにした。
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