紅蓮の虹・26
「わたしの虹。素直でうれしいよ。」
「だから、その代わり。わたしが四郎の死を受け入れられるまで、もう少しだけ付き合ってくれ。」
「わたしも君のように、きっと自分で片を付けるから。」
そういいながら、コウゲイは俺の向こうに四郎の姿を見ていた。
コウゲイは四郎の死を受け入れて、その後どうするのだろう。
もし、俺なら・・・
俺なら目の前で百合が、鉄砲の弾や、砲弾に吹き飛ばされても正気でいられるだろうか・・・
四郎の側で、笑っていた同じ名前の少女がいつか死んでしまうことは、とうにわかっていた。
四郎が侍大将となり指揮する「島原の乱」に、生き残ったものはいないのだ。
たった一人の内通者を除いて・・・
俺もコウゲイに感化されてしまったのだろうか。
四郎に会いたかった。
その時代に飛ぶのは厄介だったが、姿を眺めるのはそこにどんなものでも水面さえあれば可能だった。
こういうの、水鏡っての・・・?
便利だよね。
意識さえ集中できれば、バスタブに張った湯の中にでも、四郎の姿を見つけられると思う。
もっとも、これは歪んでしまって余り映像としては良くない気がするし・・・それにさ。
やっぱ、コウゲイと一緒の風呂は勘弁してください。
俺とコウゲイは、しょっちゅう水を張った大きめのグラスを覗き込んだ。
俺は、一人で映像を結ぶことはできない。
コウゲイとどこかが触れていれば可能だった。
いつか、龍になるのかな・・・
誰も何もいわなかった。
コウゲイと、爺さん、イレーネ。
わからないことはいっぱいあった。
「だから、その代わり。わたしが四郎の死を受け入れられるまで、もう少しだけ付き合ってくれ。」
「わたしも君のように、きっと自分で片を付けるから。」
そういいながら、コウゲイは俺の向こうに四郎の姿を見ていた。
コウゲイは四郎の死を受け入れて、その後どうするのだろう。
もし、俺なら・・・
俺なら目の前で百合が、鉄砲の弾や、砲弾に吹き飛ばされても正気でいられるだろうか・・・
四郎の側で、笑っていた同じ名前の少女がいつか死んでしまうことは、とうにわかっていた。
四郎が侍大将となり指揮する「島原の乱」に、生き残ったものはいないのだ。
たった一人の内通者を除いて・・・
俺もコウゲイに感化されてしまったのだろうか。
四郎に会いたかった。
その時代に飛ぶのは厄介だったが、姿を眺めるのはそこにどんなものでも水面さえあれば可能だった。
こういうの、水鏡っての・・・?
便利だよね。
意識さえ集中できれば、バスタブに張った湯の中にでも、四郎の姿を見つけられると思う。
もっとも、これは歪んでしまって余り映像としては良くない気がするし・・・それにさ。
やっぱ、コウゲイと一緒の風呂は勘弁してください。
俺とコウゲイは、しょっちゅう水を張った大きめのグラスを覗き込んだ。
俺は、一人で映像を結ぶことはできない。
コウゲイとどこかが触れていれば可能だった。
いつか、龍になるのかな・・・
誰も何もいわなかった。
コウゲイと、爺さん、イレーネ。
わからないことはいっぱいあった。
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