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紅蓮の虹・42 

イレーネは、呼ばなくてもやってきてくれた。


「いいわ。ちゃんと飛ぶのね。」


「わたしの虹は、わがままで何でも欲しがるんだ。」


「仕方ないわ。

この子は一番好きだった絵本が「知りたがりやのりすくん」だったんですもの。」


・・・ぎょっとした。


がきの頃、その絵本を奪い合って相手を怪我させたことがあった・・・


まじ、勘弁してください。


「やめてよ。集中できないから。」


足元から、生暖かい風が吹き上がってきた・・・


髪の毛が逆立つのがわかる。


白い光に包まれて、俺とコウゲイは一匹の龍になる。
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