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紅蓮の虹・18 

やっと、すっぽんぽんで泣き濡れてるのに気が付いた・・・間抜けなカッコウだぜ・・・

過去に行くのを繰り返せば、このまま段々、過去のコウゲイと同じ感性になってゆくのかもしれない。

そうしたら、俺もあの綺麗な少年を愛おしいとか思うようになるのだろうか?

・・・できればそこは、勘弁してください。




コウゲイとシンクロした後は、俺は食事を取らなくても平気なことに気が付いた。

「少しは、神獣らしくなったのかもしれないね。」

コウゲイは笑った。

「仕方ないだろ、腹が空かなくなったんだから。」

流れ込む記憶は、多岐にわたり俺は少しずつ利口になっている気がする。

ちょっと前までの俺は、もの知らずでまるで赤子同然だった・・・・と今は思う。

コウゲイと呼ばれる、江戸初期の俺。

虹と言う名前の、平成の時代の俺。

自分でもどちらが本当の自分なのか、どうでも良くなってきた。

そして、時代はもう少し遡り、俺はコウゲイが四郎と出会った頃に立ち会った。


悲しい記憶に打ちのめされた、最初の跳躍は終わった。

俺の意思とは関係なく、涙が溢れて止まらない。

そこまでして守らなければならない、「四郎」と言う少年。

「どうして、そこまでして助けたいんだ・・・?」

「わたしの虹。

強いて言うならそれを運命というんじゃないのか?」

「あの時代のコウゲイが、いつか納得して四郎との別れを受け止めるまで、きっとわたしの旅は終わらないのだと思う。」

今のコウゲイが涙をふき、イレーネが上着をかけてくれた。




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