紅蓮の虹・20
「あれは・・・百合・・・?」
異世界から覗いているような、コウゲイの記憶の断片の中に懐かしい友人の面影を見た。
長い髪をゆるく束ね、両の手を身体の前にかざしていた。
おぼつかない足取りから、盲いてからまだ間もないとわかる。
「四郎様」
「百合」
二人は手を取り合った・・・
「わたしは、百合の目になりたい・・・」
「四郎様、お姿は百合の胸に焼きついております。」
二人の後ろから、コウゲイが手を伸ばし、少女の目に柔らかく触れた。
「・・・あ・・四郎様!」
盲目の少女に、四郎が光を与えた奇跡は瞬く間に島原中の噂となった。
まじかよ・・・
「それは、やっちゃいかんだろ。」
俺は、過去の話だということを忘れてコウゲイにツッコミを入れた。
「えらいことになってんじゃん・・・」
「だから、わたしのせいだと言った。」
島原の乱を率いる、美しい少年のカリスマ性は、確かに神域のものだったのだ。
何しろ、本物の龍が絡んでるんだから。
「他にも、何かやったんだろ?」
俺は、コウゲイを責めた。
「大したことじゃない。」
コウゲイはそういったが、まだ人の部分が多い俺にはわかる。
それを人は「奇跡」と呼ぶのだ。
畏敬の念を込めて。
異世界から覗いているような、コウゲイの記憶の断片の中に懐かしい友人の面影を見た。
長い髪をゆるく束ね、両の手を身体の前にかざしていた。
おぼつかない足取りから、盲いてからまだ間もないとわかる。
「四郎様」
「百合」
二人は手を取り合った・・・
「わたしは、百合の目になりたい・・・」
「四郎様、お姿は百合の胸に焼きついております。」
二人の後ろから、コウゲイが手を伸ばし、少女の目に柔らかく触れた。
「・・・あ・・四郎様!」
盲目の少女に、四郎が光を与えた奇跡は瞬く間に島原中の噂となった。
まじかよ・・・
「それは、やっちゃいかんだろ。」
俺は、過去の話だということを忘れてコウゲイにツッコミを入れた。
「えらいことになってんじゃん・・・」
「だから、わたしのせいだと言った。」
島原の乱を率いる、美しい少年のカリスマ性は、確かに神域のものだったのだ。
何しろ、本物の龍が絡んでるんだから。
「他にも、何かやったんだろ?」
俺は、コウゲイを責めた。
「大したことじゃない。」
コウゲイはそういったが、まだ人の部分が多い俺にはわかる。
それを人は「奇跡」と呼ぶのだ。
畏敬の念を込めて。
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