里の野山に此花咲くや

脱力したのは、安心したせいだ。
笑顔の母ちゃんを見て、ほっとした挙句、思わず涙が出そうになった。
ばかやろ・・・大事かと思ったじゃね～か・・・

「柾、ごめんね～、驚かしちゃって。脚立の上で立ちくらみしてひっくり返っちゃった。」

左手には派手に包帯が巻かれ、左足にはご大層にギブスが巻かれていた。

「折れちゃった。てへっ。」

てへって・・・母ちゃん・・・それ、可愛いと思えないぞ。
て言うか、笑ってるけど大丈夫なのか？
直ぐ側に、めそめそとタオルで涙をふいてる・・・この、細っこいの、だれ？

「亜由美さん・・・本当は痛いのに、おくびにも出さないなんてえらい・・・うぅっ・・・。」

「よしよし、詩鶴。心配掛けちゃってごめんね。」

母ちゃんが「いい子いい子」していたやつの名前を聞いて俺は仰天した。

「詩鶴・・・？」

脳裏に昨夜の会話が浮かんだ。
紹介したい人がいるのと母ちゃんは言い、俺は結婚したいやつなのかと聞いた。

『まあ・・・ね。澤田詩鶴さんて言うの。楽しみにしててね。』

母親は、素敵な人なのうふふ、と、笑った。

「母ちゃんっ！こいつが、澤田詩鶴～～～っ！？」

母ちゃんとそいつの顔を、かわるがわる眺めて俺は正直ひっくり返りそうになった。
しかも、こいつってば・・・母ちゃんの作る繊細な少年人形みたいなのだ。

「生きてますか・・・？」

「元気です。」

「まじ？」

「まじ。」

ああ、何と言うかみ合わない会話だろう。
落ち着け、俺。

「俺に紹介するって言っていたよね？すごく若く、見えるんですけど・・・」

女みたいな・・・というか、ビスクドールみたいな悩ましい顔で、ぺこりと頭を下げた。

「先月、1７歳になりました。」

ぬけぬけと儚げな美少年が柔らかな微笑を浮かべて恥ずかしげに言う。
母ちゃん、これ・・・犯罪じゃね？

「はじめまして。澤田詩鶴です。」

「今日からきみのパパです。」

「へっ・・・？」

・・・あほか～。


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本日、9時アップに間に合いました。（*^ー^）ノ
明日も、出来るだけこけないようにがんばります。　　　此花



毎日、アップする人って、本当に大変。
やってみてわかったのですが、すごいと思います。
字数は、ワードの下書きで確認したらわかりますけど、面倒くさくなって超、適当な感じです。
ワード・・・使いこなせるようになりたいですけど、基本すら分かりません。
パソコン教室・・・時間ないなぁ・・・（´・ω・｀）

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