流れる雲の果て……8
滑らかな大二郎の白い双球が、入って来る西日に染まる。
張りのある肌を、ゆっくりと美千緒の手のひらがなぶってゆく。
「大ちゃん……、女の子みたいな可愛い顔なのに、ちゃんと徴(しるし)が勃ちあがってる。何か、淫らだねぇ……。何も知らない子に、こんなことして、ごめんね。」
「あ、あやまっちゃ、やだ~……。」
対等で居たいと大二郎は訴えたかったが、言葉にはできなかった。
昂ぶりをこらえきれずに、大二郎は両手で、顔を覆ったまま切れ切れに喘いだ。切なげな声が少しずつ甘くなってゆく。腕の中に引き寄せたまま、あやすように美千緒は大二郎を翻弄していた。
やがて両膝に手を掛けると、勃ちあがった大二郎のセクスに、美千緒が唇を寄せた。抗おうにも力が入らず、ゆるく激しく舌を絡める口淫を受けて、若い大二郎は我慢できず、瞬く間に爆ぜた。
「あっ……っ!あーっ……美千緒さん、美千緒さんっ、いやっ。」
初めての吐精ではないが、誰かと肌を合わせるのは初めてだった。
美千緒の口の端にとろりと溜まった液体を見て、大二郎は慌てた。自分が脱いだシャツを必死に持って行き、拭こうとする。
「ごめんなさい。美千緒さんを汚しちゃった。我慢しようと思ったけどできなかった。ごめんなさい。」
「謝ることなんてない。ぼくが、大ちゃんにこうしてあげたかったんだよ。本当だよ。」
「う……ん。」
美千緒は、転がった大二郎の最奥で羞恥に息づく場所に指を指し込むと、つぷ……と押し込んだ。柔らかい弾力が強く異物を排除しようとして、頑なな壁になる。大二郎は強張った顔を向けて、力なく首を振った。
「あ、ん。そこ、きたない……よ。」
「可愛い大ちゃん。汚いことなんてあるものか。どこもかも、穢れの無い無垢な身体だよ。大ちゃん、男はね、愛する人と一つになりたいとき……ここを使うんだよ。生理的に無理だって人もいるけどね……ぼくは、どんな行為も平気。互いに相手を愛おしく思えるなら、抱き合う以上に相手を受け入れるのは自然な行為だと思う。」
「う……ん。」
「中に出しちゃうと、お腹が痛くなったり、初めてだと後で精を掻き出すのは辛いから、大ちゃんにはしない。」
大二郎は拙いながらに、自分も手を伸ばし美千緒を追い詰めようとしていた
加えられた愛撫をそのままなぞるように美千緒に返した。
「う……大ちゃん。駄目……君は、そんなことしなくていいんだよ。」
「どうして?おれ、美千緒さんにも気持ちよくなって貰いたい。美千緒さん……おれ、一つになりたい。おれの恋人になって。このまま美千緒さんに入れても良い?」
「そうか。大ちゃんはぼくを抱くんだね。可愛い顔してても、男らしいんだ」
美千緒は柔らかく笑って、大二郎に気付かれないようにそっと何かを使って、自分の場所を濡らし、大二郎のセクスに素早くゴムを付けた。その動作は手慣れている気がするが、行為に精いっぱいの大二郎は、それどころではなかった。
「大ちゃん……おいで。四つん這いになるから、そっと後ろから来てごらん……。」
「うん。」
美千緒の後孔は慎ましく、陰りも薄かった。薄茶色のそこをそっと指で確かめると、少しの抵抗の後、苦も無く指が飲まれてゆくのに驚く。指の腹で周囲をなぞると、美千緒はあぁ……と苦しげに白い喉を逸らした。美千緒の反応を確かめるように、大二郎は指を抜くとゆっくりと先端を埋め、こねるように腰を入れた。肉襞が熱く包み込み、そこから蕩けそうになる。
深々と自分のセクスを付け根まで埋め込むと、美千緒の内部がうねるのを感じた。
柔らかな肉にじわじわと締めつけられて、たまらず大二郎は腰を揺らした。習わずとも雄の本能が放出の方法を知っていた。くちゅ……と淫猥な音がして、血が沸騰する。薄く汗ばんだ細い腰を掴んだ。
「美千緒さん……おれ、もうもたない。も、いい?」
「ん……。大ちゃん。好きにしていいよ。」
身体の内部に抜き差しされる大二郎のセクスが、淫らにうごめくと、美千緒は固く目を閉じて耐えていたが、やがて慄くように身を捩ると、力を失くして薄い布団に沈んだ。
はっ、はっ と、荒い息を吐く。
自分ではない誰かの名を呼んだ気がするが、大二郎は美千緒の中にいる自分に夢中になっていた。
「美千緒さん、あぁ……好きだよ。美千緒さん……っ。」
我を忘れて、闇雲に激しく腰を打ち付けて、名前を呼んだ。
大二郎は自分の身体の下に居る美千緒が自分だけのものになったようで、弱った身体の事を思いやることも忘れていた。
話の流れで切ることができず、とても長い一話になってしまいました。
辟易させてしまったら、申し訳ないです。
愛情をこめて優しく優しく……と思いながら書きました。でも、この行為の後で二人は傷ついてしまいます。
(´・ω・`) ←犯人……。
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