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夜の虹 17 

BL的性描写があります。ご注意ください。

「抱いてやる」と言われて、涼介は月虹に瞠(みは)ったままの目を向けた。何と返事をすればいいのか困惑していた。
ごきゅ……と喉が鳴る。

「彼岸に行っちまったら、会えるかどうかも分からないけど、おれはもう向こうでは金輪際、清介以外誰も抱かないって決めているんだ。まるごとのおれを清介にやるって決めてあるからな。今は世話になった親父の為にも、スケコマシをやめるわけにはいかない。だから涼介だけのものにはならないが、それでもいいか?……ん?」

涼介の唇が勇気を振り絞り、やっと思いを零したのは、それからしばらく経ってからだった。

「あ、兄貴……。おれを、抱いて……ください。おれは、ずっと前から……兄貴に拾ってもらった時から、兄貴のことが好きです。」

「そうか。」

俯いたきり、耳まで熟していた涼介が、熱のこもった視線をやっとゆっくりと向けた。
月虹は手招きして、隣の部屋の寝室へと誘った。
初心な少女のように、寝台へ向かう涼介のつま先が震える。

*****

月虹は涼介を抱き寄せて、怖気る唇をそっと割った。二つの唇が静かにゆっくりと接触してゆく。上唇をなぞり歯列を確かめ侵入してくるものに、涼介は拙くとも精一杯舌を絡めた。

どれほど涼介が自分を求めていたか、月虹は涼介の幼い必死の舌づかいに、思わず頬を緩めた。
舌先でつつけば応えようとして追って来る。深く差し入れた甘い舌に、全身を震わせながらも月虹にかきついて、なんとか絡めようとする涼介の拙い舌技に、月虹は優しく捉えられて大人しく吸われた。
切なく秘めた悲鳴にも似た、涼介の慣れていない必死の行為がどこか痛ましい気がする。

「抱いてって言いながら、頑張るなぁ、涼介。こっち、向いてみな。」

キスの後、足元に跪いて、ぎこちなく月虹の脚の中心を露わにしようとする涼介に、声を掛けた。
涙ぐんでしまった涼介は、どうしていいか分からないと呟いた。

「お前のしたい様にしていいんだぞ。」

全身で恋しいと叫ぶ涼介の滑らかな頬に月虹は指を伸ばした。身体を入れ替えて倒すと、無意識に涼介の脚が開いてゆく。シャツの裾から手を入れて、無垢な双果実を摘み上げた。張りつめた若い茎は握り込むと、すぐに喘ぐように露を滲ませてくる。
月虹は唇を合わせたまま、薄い胸をなで上げた。

「ひぃあっ……、兄貴。変っ!……そんなところ触っても、何もないのにじんじんする……。」

「感度良いなぁ、涼介。ここで感じる奴は、そう多くないけどな。おれが好きなら、流れちまいな。」

はふっと、自分の吐息が甘く漏れるのに、涼介は驚いた。
月虹の指が触れるたびに、そこかしこから細かい火花が霧散する気がする。腹の筋肉を波打たせて涼介は弾けないよう懸命に耐えた。初めて月虹と過ごすこの時間を、少しでも長く味わいたかった。





本日もお読みいただきありがとうございます。
後、二話で終了予定です。お読みいただければ幸せです。
どうぞ、よろしくお願いします。(〃゚∇゚〃) 此花咲耶

(*/д\*) 涼介「……あ、兄貴……」


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