【狂おしい秋・学園の狂騒・6】
結局、ドッキリの映像と隼の妖しい朗読劇のCD-Rをセットにして、希望者に予約販売と言う形をとった。
男子も女子も、先生方も購入希望に〇を入れた。
校長には秘密にしていたが、君、後で並んで写真を撮ろうと隼に声をかけていた所を見ると、校長特権で手に入れたらしい。
今なら、先行予約者に限り、隠し撮り生写真5枚付きなのだそうだ。
もちろん周二も、個人的に生徒会長を半分脅して注文した。
牛乳瓶の厚底眼鏡から一転、醜いあひるの子もびっくりの変貌を遂げた沢木隼は、周囲の羨望と驚愕の視線に晒されていた。
それまでの影の薄さが信じられないほど、艶めいた美しい少年人形に、皆、息を呑んだ。
「何で、コンタクトに許可なんて出したんだよ。心配じゃね~のかよ。」
空いた時間に、茶を飲みにきた隼の父親に聞いてみた。
「隼、学校でいきなり有名人になって、大変だぞ。」
「どあほう。おまえと一緒にいるようになってから、めがねパーにしたの何回だと思ってるんだ。」
「え・・・と。二回くらいっすかね。」
「4回以上だ。あいつのは近視度数が強くて、高圧縮レンズってのを使ってるから、レンズだけでも一枚二万円以上するんだ。」
「両目とフレームで毎回、6万以上だ。こちとら、市民の公僕とはいえ安月給だから、思い切ってコンタクトにさせたんだ。」
「お前がそばにいるから、大丈夫だと思ったんだが、俺の買いかぶりだったか?元に戻すか?」
「いえ、大丈夫っす。隼は、絶対俺が護ります。」
そう沢木パパに約束したものの、周二はこの最近の周囲の雰囲気が少し気になっていた。
金魚のふんではないが、どうもここ最近取り巻く人間が多い。
考えすぎなら良いのだが、放課後、他校の生徒もちらほら目立つのが気になった。
学校にいる間は、執行部なので一人になることはないが文化祭当日が心配だった。
何しろ、隼は人を疑うことを知らない。
そこも魅力の一つなのだが、一度知らない人にくっついて行って痛い目に遭ったくせに、やっぱり今ひとつ危機感はないように見えた。
「少しは、気をつけろよ。」
「周二くんが、いるから大丈夫~。」
そういって、肩に頭を預ける隼に優しい目を向けながら、周二の中の野生が危険を告げていた。
往々にして、そういう予感は外れない。
胸騒ぎの、文化祭が始まった。
なんにでも一生けんめいの隼ちゃんをみてると、劇をさせたくなっちゃうけど、どうやら芝居心皆無みたいです・・・。いっそハレンチ学園やっちゃう?
10月いっぱいで秋企画終了です。寂しいな~・・・
「・・・ぱお~・・・(´・ω・`)」通訳・「決まりですから~・・・」
上げたはずなのに、記事がないッ!慌てて、自分のところを検索したら1970年にアップになっていました。
何でこんなことに~~~? 此花←又、何かやらかしたか・・・
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(pioさま鼻血ぷぷっの美麗イラストお借りいたしました。ありがとうございました。毎日、きゅんきゅんの綺麗お子さまです~。
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