ずっと 君を待っていた・2
同い年だけど兄貴みたいな青児のことは、昔から「青ちゃん」って呼んでる。
「クシちゃんは、何でこんなものが、いっつも怖いんだろうねぇ。」
「ほれ、ほれ。」
あのぉ・・・縄跳び用の縄を、ぶんぶん振り回すの止めて下さい。
そこは、自分でもわからないけど、いまやぼくは蒼白です。
どこか身体の内側の深いところで、誰かが囁いている。
「まだ、それに近付いては駄目。」ってね。
「まだ」って、何だろ・・・
でもね、不思議なことに大嫌いな「長いもの」の筆頭の蛇だけど、向こうは何故だか近寄ったりはしないんだ。
まあ、元々、毒持った凶暴なのは、日本じゃ南国意外に、そんなに沢山の種類居ないだろうしね。
やつらは、鎌首をもたげて、じっと遠くから物いいたげに見つめているという雰囲気なんだ。
それが、余計に気味悪くて、「出た~っ」て、つい大騒ぎしてしまうんだけど・・・
道端で、後ずさりするぼくを青ちゃんは、気が付くとそっと背中に庇ってくれる。
・・・そこ、ちょっと不満なんですけど。
「どうして?」
「だって、女子じゃね~し。」
そういうと、青ちゃんは「じゃ、前へどうぞ。」といってぷっと吹いた。
笑うけどね、青ちゃんのこういう所って、きっと少女漫画の王子さまの役目なんだよ。
言っておくけどね。
ぼく、相手が人間なら、かなり頑張れると思うんだ。
こう見えたって一応、青ちゃんと同じく剣道部で有段者なんだよ。
まあ、一年にして既に大学からのスカウトが、引く手数多の青ちゃんと違って、ぼくの方の腕前はたぶん「並み」だけど。
だから、細くても多少、腕に覚えはある。
県内じゃ、個人でも一応トップクラスだしね。
一見、頼りなく見えるかもしれないけど、不良に絡まれたら、死んでも彼女は守るタイプだよ。
だから、安心して。
(誰に言ってるんだ?)
で、その青ちゃんは家庭環境が複雑とかで、荒れかけた中学の頃から、ぼくの家に下宿している。
何が原因か、よくは知らないけど、今じゃ違和感なく、仲のいい兄弟みたいなもんだよ。
きつい目つきも、今じゃ穏やかになったし。
「長いもの」の件を外しても、頼れるいいやつだ。
まあ、いずれ、衝撃の事実が発覚したりするんだけど・・・それは、もっと後の話になる。
ちょっと不思議な感じで、話は進みます。
拍手、ポチありがとうございます。
がんばれよ~!と、言っていただいているようでとてもうれしいです。男子が主人公というだけで、BLだとおもってるんじゃ・・・ 「そのようなことは、ございませんっ!」 (p・Д・;)やばいぜ~ 此花
にほんブログ村
にほんブログ村
- 関連記事
-
- ずっと君を待っていた・14 (2010/11/03)
- ずっと君を待っていた・13 (2010/11/02)
- ずっと君を待っていた・12 (2010/11/01)
- ずっと君を待っていた・11 (2010/10/31)
- ずっと君を待っていた・10 (2010/10/30)
- ずっと 君を待っていた・9 (2010/10/29)
- ずっと 君を待っていた・8 (2010/10/28)
- ずっと 君を待っていた・7 (2010/10/27)
- ずっと 君を待っていた・6 (2010/10/26)
- ずっと 君を待っていた・5 (2010/10/25)
- ずっと 君を待っていた・4 (2010/10/24)
- ずっと 君を待っていた・3 (2010/10/23)
- ずっと 君を待っていた・2 (2010/10/22)
- ずっと 君を待っていた・1 (2010/10/21)
- ずっと君を待っていた・作品概要 (2010/10/20)