ずっと 君を待っていた・3
温かくなると、蛇が冬眠から覚めて石垣の隙間や、朽木のうろからぞろぞろ出てくるんだ。
しかも、登下校、毎日必ず出くわすんだ。
「あぁ、クシちゃん、この季節は大変だねぇ。」
「今日も、お出迎えの皆様大勢いらっしゃってる。」
青ちゃんは分かっていて、ため息混じりに、そんなことを言う。
学校から自宅まで、自転車で20分の間に、数えて27匹の蛇に遭遇した日には、さすがにこれは少しはおかしいと思ったらしい。
数える方も、数える方なんだけどさ。
身体中の毛穴から、脂汗が噴いた気がするよ。
どう考えても、おかしいに決まっている。
27匹の蛇が全て鎌首挙げて、道路端でとぐろ巻いてこっちを向いていた日には、普通の女子ならきっと卒倒すると思う。
俺も、今日は青ちゃんがいなかったら、正直危なかったかもしれない。
過呼吸寸前で、何とか自宅にたどり着いたけど、顔色は蒼白で、恥ずかしながら、指先までがたがた震えていた。
「出たの?」
母親が言う。
「今年は、半端なく多い気がする・・・」
冷や汗が喉元を伝った・・・
27匹いたよと、数を告げた。
「何かさ、あいつらクシちゃんのこと、すげぇガン見してんのね。」
と、一度、青ちゃんがしみじみ真顔で言ったことがある。
そうなんだよ。
先の割れた舌を出し入れしながら、じっとこっちを見つめてるの。
「クシちゃんのこと、すごく慕ってるみたいだ。」
「いや。もしくは、狙っているというべきなのか?何か、お婿さんになる話あったよね、日本昔話でさ。」」
「やだ~っ!俺、どうせなら人間の女の子がいい~っ!」
俺、肌に蛇を這わせるような、マニアックな趣味なんて、持ってないもん。
眺めるのは嫌いではないですけど、触るのはちょっと・・・
お読みいただきありがとうございます。
明日もがんばれ~と思ったら、ポチと拍手お願いします。舞い上がって喜びます。 此花
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しかも、登下校、毎日必ず出くわすんだ。
「あぁ、クシちゃん、この季節は大変だねぇ。」
「今日も、お出迎えの皆様大勢いらっしゃってる。」
青ちゃんは分かっていて、ため息混じりに、そんなことを言う。
学校から自宅まで、自転車で20分の間に、数えて27匹の蛇に遭遇した日には、さすがにこれは少しはおかしいと思ったらしい。
数える方も、数える方なんだけどさ。
身体中の毛穴から、脂汗が噴いた気がするよ。
どう考えても、おかしいに決まっている。
27匹の蛇が全て鎌首挙げて、道路端でとぐろ巻いてこっちを向いていた日には、普通の女子ならきっと卒倒すると思う。
俺も、今日は青ちゃんがいなかったら、正直危なかったかもしれない。
過呼吸寸前で、何とか自宅にたどり着いたけど、顔色は蒼白で、恥ずかしながら、指先までがたがた震えていた。
「出たの?」
母親が言う。
「今年は、半端なく多い気がする・・・」
冷や汗が喉元を伝った・・・
27匹いたよと、数を告げた。
「何かさ、あいつらクシちゃんのこと、すげぇガン見してんのね。」
と、一度、青ちゃんがしみじみ真顔で言ったことがある。
そうなんだよ。
先の割れた舌を出し入れしながら、じっとこっちを見つめてるの。
「クシちゃんのこと、すごく慕ってるみたいだ。」
「いや。もしくは、狙っているというべきなのか?何か、お婿さんになる話あったよね、日本昔話でさ。」」
「やだ~っ!俺、どうせなら人間の女の子がいい~っ!」
俺、肌に蛇を這わせるような、マニアックな趣味なんて、持ってないもん。
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