深い森の奥の魔導師・18
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「危ないっ、トトっ!」
どんと体当たりされて、トトの瞳に正気が戻る。
「あ・・・トモ・・?俺、どうしたんだろう。頭の中でキュラが笑って、こっちに来いよ、トトって言ったんだ。だから・・・」
ジェードの腕が延ばされて、トモに思念を伝えた。
『まやかし』
「そうだね、ジェード。『まやかし』だ。トト、きっとキュラを乘っ取った淫魔の邪気が残っていたんだよ。」
「淫魔・・・」
「おれがかけた回復呪文が、まだ未熟だったんだ。ごめんトト。」
哀しげに見つめるトモの視線は、いたわりに滿ちていた。
「ううん…だって、トモがいなければ、俺今頃きっと魔界の「魔」に堕ちてた。」
半分気を失った状態で、びくびくと白い精を溢し続けるトトを、発見したのはトモだった。
血にまみれた噛み傷のついた、幼い茎を勃たせて握り締め、狂喜のトトはゆるゆると腰を振り続けていた。
終わらない爛れた快感に搦めとられ、魔に墮ちる寸前だった。
トモとジェードの重ねた手から、聖なる呪文があふれ青白い炎となってトトの全身を浄化したのだ。
雲が晴れるように、淫魔の巻きついた呪縛から解き放たれてトトは今ここにいる。
『なんだ、帰っちゃうのか、トト。』
思わずトトとトモ、二人顔を見合わせた。
「キュラ!?」
長い金色の髪を艶然とかきあげながら、赤い唇が裂けた。
『俺と来いよ!トト。』
「いやだ・・・助け・・・て。来ないで!」
じりじりと美しい魔物が、トトを誘う。
淫魔はトモとトトの大好きなキュラの姿をしていた。
≪Transfer it absent!(追いはらえ)≫
泣きながらトモの放った大きな赤い炎が、キュラの姿をした淫魔を燃え上がらせた。
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ヾ(。`Д´。)ノ彡オメガ:「ちょっと、目を離すと卵達がいなくなってるし!」
(´/ω;`)トモ:「キュラじゃなくて淫魔ってわかってるけど・・・」
ヾ(。`Д´。)ノ彡キュラ:「淫魔と一緒にすんなっ!」
(*´・ω・)(・ω・`*)トモ・トト:「もし、キュラだったらやばかったよね~」
ヾ(。`Д´。)ノ彡キュラ:「死ぬわ~!」
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